【鬼滅の刃】夢に惹かれる【愛され】

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禰豆子は太陽を克服した唯一の鬼、そしてAは神からの御加護を受けた少女。







特にAは年々御加護の力が増してきており、最近では様々な神術が使えるようになってきている。輝哉の病の進行を遅らせている例がいいところだ。








更にはAは無惨が惚れた少女だ。

彼女を自身の妻として迎え入れ、共に過ごせば永遠は叶うと言っても過言ではない。

愛しい彼女とその時を共にできるのは無惨にとってこれ以上とない幸福である。









本来ならば、産屋敷邸に来るまでにAを迎え入れたかったというのが無惨の本心。しかし探せど探せど彼女はどこにもいない。まるで神隠しにあっているかのように。








無惨は自分が立ち入ることの出来ない唯一の場所である産屋敷邸にAがいるのではと思っていたのだが。どうやら彼女はここにも居ないらしい。ではどこにいるのか？









｢君の夢は叶わないよ、無惨｣


｢禰豆子とAの隠し場所に随分と自信があるようだな、しかしお前と違い私にはたっぷりと時間がある｣


｢Aは産屋敷一族の養子として先日迎え入れたばかりだよ。

故に彼女は君の伴侶とはなり得ない｣









無惨の夢をバッサリと切り捨てるように輝哉は言う。青筋を立てながらもまだ話を続けるらしい輝哉に耳を傾けた。









｢彼女の家系はそれこそ神職。


もっというと君が生きた平安時代から代々受け継がれてきた由緒ある家柄だ、産屋敷一族とも繋がりが深い。

彼女の一族、皇一族は神職の中でも最も位が高く、神から愛されている一族だと云われている。


そんな一族には彼女しかいない、だから彼女を養子として迎え入れた｣









義理とは言えど、産屋敷一族の娘との婚姻なんて嫌だろう。そういう意味である。









しかしだから何だというのが無惨。AはA、家柄など関係ない。例えそれが己が目障りだと思い続けてきた一族だとしても。








彼女といられるなら、彼女と静かに穏やかな生涯を送ることが出来るなら無惨は構わないのである。




太陽の下で手を繋ぎ、笑いあって散歩して、寄り添いあって＿＿＿


ああ、そんな日々。なんて幸せで甘美で、素晴らしい夢なのだろう。









その夢が、今叶おうとしている。


Aの居場所が分からないのも問題ない、隠しているのは産屋敷一族とそいつら率いる鬼殺隊なのだ、それらを潰せば一気に明るみになる。

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