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｢……やあ、来たのかい｣
床に伏せる輝哉と、彼に寄り添う妻のあまね。
2人しか居ないその部屋に面する庭に、奴は現れた。
｢…初めましてだね、鬼舞辻……無惨…｣
｢…何とも醜悪な姿だな、産屋敷｣
白いスーツにネクタイ、中にはベストを見にまとい、黒い外套を肩で羽織ってはためかせている鬼舞辻無惨。
彼のウェーブがかった髪がゆらゆらと揺れる。
｢ついに…私の…元へ来た…今…目の前に…鬼舞辻…無惨…
我が一族が…鬼殺隊が…千年…追い続けた…鬼…｣
病が相当進行しているらしい輝哉は、たどたどしくも語る。輝哉を冷たい眼差しで見つめる無惨は黙って立ちすくんでいた。
目の見えない輝哉は、あまねに無惨がどのような姿をしているのか問う。
彼の言われた通り、無惨をまっすぐに見据えて彼女は答えた。
｢20代半ばから後半あたりの男性に見えます
ただし瞳は紅梅色、そして瞳孔が猫のように縦長です｣
冷静に答えたあまねに、そうかと輝哉は返す。
産屋敷一族に腹を立てていただろうから、私は無惨本人が殺しにくるのだと。そう思っていたと、包帯まみれの顔を無惨に向けて彼は言う。
｢私は心底興醒めしたよ産屋敷｣
冷たい眼差しで、無表情。
目の前に広がる光景に呆れたとでも言うように、無惨は口を開く。
｢身の程も弁えず千年にも渡り、私の邪魔ばかりしてきた一族の長がこのようなザマで
醜い、何とも醜い。お前からはすでに屍の匂いがするぞ産屋敷よ｣
その言葉を聞いた輝哉が、余力を振り絞って上半身をおきあがらせる。ひゅうひゅうと呼吸もままならない輝哉をあまねが支える。
無理もない、輝哉は半年も前には医者から『数日で死ぬ』と余命宣告されていた。それなのに、彼が生きているのは＿＿＿
｢それでもまだ…私は生きている…医者も…言葉を…失っていた
それもひとえに…君を倒したいという一心ゆえだ…無惨…｣
己の強い無惨への怒りと憎しみ、そして神の愛子であるAが神力で彼の病の進行を遅らせていたからである。
｢その儚い夢も今宵潰えたな、お前はこれから私が殺す｣
｢君は…知らないかもしれないが…
君と私は…同じ血筋なんだよ…
君が生まれたのは…千年以上前のことだろうから…私と君の血はもう…近くないけれど…｣
｢何の感情も湧かないな、お前は何が言いたいのだ？｣
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桜花(プロフ) - ぺーじ２９の上弦が上限になってますよなおしいたほうがいいかと私が間違ってたらごめんなさい (2020年5月12日 0時) (
レス) id: 28a0d4aa7b (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - お二人共コメントありがとうございます…！もうすぐで完結致します、どうか最後までお付き合い下さい！ (2020年4月19日 13時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
mustard(プロフ) - うわぁぁぁ夢主ちゃん死なないでぇえええ！！夢に溺れるから、ずーっと見てます！文才分けて欲しいほど面白くて、更新されたらポウッって声出して喜びます（？）ハッピーエンドを期待しております（（ (2020年4月19日 4時) (レス) id: e36ed0dc7b (このIDを非表示/違反報告)
液体(プロフ) - すごく面白いです...！！続きの展開がとても気になります更新待ってます頑張って下さい！ (2020年4月8日 23時) (レス) id: 5db20428bf (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - もえさん、朔弥さんコメントありがとうございます…！朔弥さんに至りましてはご指摘ありがとうございます！更新頑張りますので応援よろしくお願いします〜！！ (2020年4月6日 0時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかり
| 作成日時：2020年3月25日 17時
