【鬼滅の刃】夢に惹かれる【愛され】

柱稽古、そして彼女の行方。 ページ33

特別な訓練が始まった、その名も“柱稽古”。


柱より下の階級の者が柱を順番に巡り、稽古をつけてもらえるという。









基本的に柱は継子以外に稽古をつけなかった。龍は単純、忙しいから。



柱は警備担当地区が広大な上に鬼の情報収集や自身のさらなる剣技向上の為の訓練、ほかにもやることが多かった。






しかし禰豆子の太陽克服以来、鬼の出没がピタリと止んだ現在。


嵐の前の静けさとも言える状況でもあったが、そのお陰で柱は夜の警備と日中の訓練にのみ焦点を絞ることができた。








まずは宇髄によるしごき基礎体力向上から始まり、甘露寺蜜璃による地獄の柔軟、時透無一郎による高速移動の稽古。

蛇柱による太刀筋矯正、風柱による無限打ち込み稽古、岩柱による筋肉強化訓練。






柱にしても次から次へかかってくる隊士を延々と相手することでさらなる体力向上が見込める。そこから心拍と体温を高め痣が出せるようになればボロ儲けである。


すでに痣の出ている者は常に“痣状態”でいられるよう訓練していく。その過程で得た情報は隊全員に伝達・即共有で隊全体の力を上げていた。


水柱の冨岡義勇は最初、訳あって隊士稽古をつけるのを拒否をしていたが、輝哉の頼みで炭治郎が説得し、他の柱に遅れてではあるが同じく稽古をつけるようになった。







怪我を負っていた炭治郎は、他の隊士から少し遅れて大参加。キラキラと目を輝かせ、やる気に満ちた炭治郎はいい意味でひとり浮いている。





｢よォよォ！久しいなお前また上弦と戦ったんだってな、五体満足とは運の強ェ奴だ

ここでなまった体を存分に叩き起しな｣


｢はい頑張ります！！｣





やる気満々の炭治郎に宇髄も笑顔。彼の嫁らも笑顔で炭治郎を迎える。


にこにこ笑顔を絶やさない炭治郎の周りをキョロキョロ見て、宇髄が首を傾げた。







｢おい、Aはどうしたよ｣


｢え、A？もしかしてまだ来てないんですか？｣


｢そーだよ、てっきりまた怪我でもしてお前と一緒に来ると思ってたんだが｣


｢え、なんで俺…？｣


｢あ？だってお前らいつも一緒にいるだろ｣





いつも一緒にいる、というワードに密かに喜びながらも、炭治郎は首を傾げた。

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