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あの時無一郎くんは毒を食らって動けなくなった。
その時彼を助けようとしてくれた少年が殺されかけたのを引き金に以前の記憶が戻り、強すぎる怒りで感情の収拾がつかなくなった、と無一郎くんは騙る。
「その時の心拍数は二百を超えていたと思います
更に体は燃えるように熱く、体温の数字は三十九度以上になっていたはずです」
「そんな状態で動けますか?命にも関わりますよ」
驚いたようにしのぶさんが無一郎くんに問う。
そんな彼女に無一郎くんは、そこで死ぬか死なないかが痣が出る者と出ない者の分かれ道だと答えた。
もしそれが本当なのだとしたら、柱の急務は痣の発現になる。というか無一郎くんの考察は間違っていないだろう。
ただ、痣が発現してしまえば例外なく代償がついてしまう。命という、代償が。
しんみりとした空気の中、柱会議が終わる。結局私何のために来たんだと庭を眺めていたら、突然何者かが私の手をとる。
ふ、と顔をあげれば私の手を握っていたのは輝利哉様だった。
「父上がAのことをお呼びです
大事な話があると」
案内します、と彼は私を立ち上がらせる。
手を何故か握られたまま、あまね様の後に続く輝利哉様に連れられながらも私は柱の皆さんに一礼した。
___
__
こちらです、と案内された部屋に入って私は目を見開いた。
身体中を包帯で巻かれた輝哉様が床に伏せていた。
呼吸は荒く、見ているだけでも辛そうである。そしてなにより、
「(___死相が、見える)」
一度、煉獄さんにも見えた恐ろしい“気”。
人間なら誰もが迎える死。生き物には死期が迫ると死相が現れる。
輝哉様の呪いがより勢力を増し、今にも死へと引きずり込もうとしている。私は悲しくて涙が出そうなのをぐっと堪えた。
ここで私なんかが泣いてはならない、泣きたいのは本人とその家族だ。
「父上、Aをお連れしました」
「…Aか、すまないね寝たままで」
「いえ、お気になさらず。大丈夫ですからね、部屋に神力を注ぎますので」
少しだけだが、私の神力は輝哉様の病気を楽にすることが出来た。きっと、彼の病期が一種の呪いによるものだから神力が効くのだと、私は踏んでいる。
ありがとう、と力無く笑うその姿がなんとも痛々しかった。
「今日は、今後のAについて話したいことがあったんだ」
何かが、動こうとしていた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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桜花(プロフ) - ぺーじ29の上弦が上限になってますよなおしいたほうがいいかと私が間違ってたらごめんなさい (2020年5月12日 0時) (レス) id: 28a0d4aa7b (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - お二人共コメントありがとうございます…!もうすぐで完結致します、どうか最後までお付き合い下さい! (2020年4月19日 13時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
mustard(プロフ) - うわぁぁぁ夢主ちゃん死なないでぇえええ!!夢に溺れるから、ずーっと見てます!文才分けて欲しいほど面白くて、更新されたらポウッって声出して喜びます(?)ハッピーエンドを期待しております(( (2020年4月19日 4時) (レス) id: e36ed0dc7b (このIDを非表示/違反報告)
液体(プロフ) - すごく面白いです...!!続きの展開がとても気になります更新待ってます頑張って下さい! (2020年4月8日 23時) (レス) id: 5db20428bf (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - もえさん、朔弥さんコメントありがとうございます…!朔弥さんに至りましてはご指摘ありがとうございます!更新頑張りますので応援よろしくお願いします〜!! (2020年4月6日 0時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年3月25日 17時