【鬼滅の刃】夢に惹かれる【愛され】

痣と代償。 ページ30

その後、私は蜜璃さんに応戦してひたすらに目の前の鬼を斬って斬って斬りまくった。



本体を追う炭治郎たちのもとに鬼が決して行くことがないように、今後生きていなければならない蜜璃さんを殺さないように。



私も蜜璃さんも血まみれ傷だらけでやばい死ぬ、ってなった時、はらはらと鬼が塵のごとく消え去る。



炭治郎たちがきっと、本体の鬼の頸を落としたのだろう。






蜜璃さんと抱き合って喜びあった後に炭治郎たちと合流したら炭治郎は気ぃ失ってるし禰豆子ちゃんはなんか太陽の下トコトコ歩いてるし。なんなの何事なの？？？


というか体を休めるためにここの温泉に入りに来たのに休まってないのなんなの？？？なんてブツブツ言いながらも蝶屋敷に運ばれて治療を受けた。





そんな私は、炭治郎が意識を取り戻すのを前にある人に呼び出される。







｢え、輝哉様から？｣


｢ええ、これから柱会議がありまして…その際にAさんも一緒に来るようにとのお達しでした｣





一緒に行きましょう、とにこやかに笑うしのぶさんが差し出した手をそっと握る。柱会議なのに何で私参加するんだ？と疑問に思いながらしのぶさんの横に座っていたのだが。





その場に現れたのは輝哉様ではなく、お内儀のあまね様。輝哉様の病状が悪化したのだと彼女は言う。なんと、と何とも言えない気持ちになってわたしは俯いた。









あまね様のお話を聞く限りだと、今回柱のお2人である蜜璃さんと無一郎くんに何らかの体の異変があった。おかげで2人は死ななかった、加えて怪我の治癒も通常よりかなり早いのだという。



彼らの体に一体何が起きたのか。不思議な文様の痣が出た影響でそうなった可能性が高いらしい。







｢戦国の時代、鬼舞辻無惨をあと一歩という所まで追い詰めた始まりの呼吸の剣士たち

彼らは全員に鬼の紋様と似た痣が発現していたそうです｣





全員がどよめく。どうやらほとんどの人が痣に関しては知らなかったみたい。


痣については伝承が曖昧な部分が多く、不明な点が多々あるのだとあまね様は仰る。





｢ただ一つはっきりと記し残されていた言葉があります

“痣の者が一人現れると共鳴するように周りの者たちにも痣が現れる”｣




そして今の世代で初めて痣が出現した人物が炭治郎。

彼に詳しく痣のことを聞いても本人にも発現方法がよく分かっていなかったとため、今回は痣について蜜璃さんと無一郎くんに情報提供して欲しいのだと彼女は仰った。

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