【鬼滅の刃】夢に惹かれる【愛され】

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壺から出た奇妙な鬼＿＿＿玉壺は、目の前の男が自分に見向きもしないことに苛立ちを覚えていた。







ここのフレーズだけ聞くと、彼氏に構って貰えずにいじける面倒くさい彼女のようであるが、2人はそんなアレではない。







玉壺は言わずもがな鬼、そして目の前の男は刀鍛冶、鋼鐵塚 蛍である。







鋼鐵塚はどれだけ自分の身体が怪我を負おうと、刀の研磨を行う手を止めることは無い。尋常ではない集中力だった。






｢(片目を潰した時ですら声も出さず研ぎ続けるとは！！)｣








ぐぬぬと悔しがる玉壺。彼の気持ちもまあ分からなくはない。





彼は鬼、それ故にこれまでに幾度となく反応はされてきた。鬼だからというのもあるが、八割見た目のせいで。見たもの全てがドン引くような容姿だ。





だかしかし鋼鐵塚は自分に見向きもしない。自分の見た目に(心底謎であるが)自信がある玉壺からしたら死活問題だった。








そんな玉壺の視界に一人の男が映る。








先程、鋼鐵塚を守ろうと必死になっていた男＿＿鉄穴森である。



苦しそうに呻くその男を見て、玉壺はあることを思いつく。









｢(そうだアイツを殺すと言えば…)｣









さすがにこちらに反応を示すはずだとにんまり笑った玉壺が、蹲る刀鍛冶に向かって手を伸ばした時だった。








玉壺の視界の中で何かが高速で動く。





身の危険を感じた玉壺は咄嗟に壺に避難する。


再びそこから顔を出した先には、先程彼が水獄鉢に閉じ込めたはずの柱、無一郎がいた。









なぜ、一体どうやってあそこから抜け出した？刀でも切れぬあそこから脱出するなど到底不可能なことである。


間もなく死ぬと思っていたがどうやらそうではなかったらしい。








｢(＿＿ん？待て待て待てなんだあの痣は)｣









刀を構える無一郎の顔を見て玉壺は思う。



彼の顔には謎の痣が出現していた。

眉間の上に１箇所、左右の頬に１箇所ずつの計3箇所。









｢(無惨様からいただいた情報ではあの耳飾りの子供も似たような痣が)｣

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