【鬼滅の刃】夢に惹かれる【愛され】

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大きく跳躍したAは、一度炭治郎の肩に足を置いて踏み台にし、大きく刀を振って鬼を切りつける。






予想外の攻撃方法に、炭治郎はもちろん無一郎も驚く。




体重が軽いAだから成し得ることだ、もし仮に体重が重かったとしたら相手の肩を壊しかねないのだから。




しかしまた鬼は攻撃を躱す。ちぃっと舌打ちをした彼女に、鬼は心底悲しそうに声を上げた。







｢ヒィィイイ、奥様…！何故ですか、何故あの方からお離れになったのですか…！私たち鬼は奥様とあの方が添い遂げることを望んで、｣


｢うるさいなお前黙っとれ！！奥様じゃないんだよ私は！！！誰があの人と結婚するって言った！？あぁ！？｣


｢で、ですが、あの方は本当に、｣


｢うるっせぇ！！！次なんか言ってみろやてめぇの事月までぶっ飛ばすかんな！！！！｣


｢ヒィィイイ！！！！｣







現在のAにとって『あの方』、『奥様』というワードは完全に地雷である。





それを容赦なく踏み抜くどころかブレイクダンスをぶちかますかの如く発言した鬼は、Aの容赦ない暴言をぶっかけられる。



普段のAの口から発せられることの無い言葉の数々に炭治郎と無一郎は唖然。無一郎に関してはAがなんでキレてるのかさえ分からず困り果てている。







｢今からでも遅くありません、是非ともあの方の元に…｣





そしてAがブチ切れにも関わらず、懲りずにAを説得しようとし続ける鬼。






｢＿＿Aは、鬼舞辻無惨の嫁にはならない！！｣





Aが反論する前にさけんだ炭治郎。なんでお前が知っている、と言いたげな顔をする鬼に向けて、炭治郎は刀を構える。





｢ヒノカミ神楽＿＿＿陽華突｣





下から突き上げるように繰り出した技。


しかしそれをも交わした鬼に禰豆子が蹴りをお見舞いする。ギャアッと声を上げて、物凄い勢いで部屋の隅まで飛ばされた鬼の首を、隙をついて無一郎が切り落とした。





目に見えぬ速さのそれに炭治郎は驚く。




しかし油断はしていられない。上弦は頸を斬っても死なない場合がある。妓夫太郎や堕姫の時に『両方の頸を斬る』というような条件がつくことだってある。







｢時透くん油断しないで！！｣







ならばこの鬼はどうか。



はねられた頸からはメキィと音を立てて体が生え、頸をはねられた体からは首が生える。




分裂、である。

・→←火蓋を切る。

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