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▼ じゅうに ページ13

「ふぁ……」


「おや、Aくん。寝不足かね?」


「あはは…まぁ、ちょっとだけ」







そう言って目元を擦れば、心配そうに目の前の誉さんと東さんはこちらを見つめる。


俺は彼らの反応に苦笑いするしかなかった。






ある日の昼下がり。


平日のため学生組や会社組も当然ながらおらず、監督も今日は他の劇団の手伝いで今日は不在だ。




暖かい日差しが談話室に差し込む中、俺たち3人は紅茶とお茶菓子を囲んで話していた。






「…あぁ、もしかして作曲に関することだったりする?」


「ええ、まぁ…もうすぐで完成するんですけどね、なかなかしっくりこなくって

まあ、本番までまだ時間はあるんですけど…」


「それは大変だね、困ったものだ」






おやおやと眉を片方下げて手を顎に当てる誉さん。


様になるその姿に俺はちょっと見とれる。

なんか芸術的な美しさを感じるんだよなぁ、この人。






「作曲が終わらなくて寝れないのかい?寝て頭をリフレッシュさせることも大切だよ」


「そうは思うんですけどね…結局布団に入っても曲のことが気になって寝付けなくて」







ははは、と困ったように笑うと、ずっと何かを考え込んでいた誉さんが突然いい笑顔を向けてこちらを向いた。





「せっかくだから、私がいい眠りにつけるような詩を特別にAくんの為だけに作ってあげよう!

きっとぐっすり眠れるはずだ」


「わ、本当ですか!嬉しいです」


「ならボクはAが寝れるように添い寝してあげるよ

前言った通り、前は添い寝屋をしてたんだ」






まかせて、と優しく微笑む東さんにありがとうございます、と告げる。



ごめん、添い寝屋の意味がちょっとわかんないからなんとも言えない。






「じゃあ…どうしても煮詰まったときはお願いしてもいいですか?」


「もちろん、いつでも言って」


「私は早速詩を書くことにするよ!待っていてくれたまえ!」







ちょっと内容は独特だけど、きっと彼らなりの優しさなのだろう。


それが素直に嬉しくて、俺は二つ返事で頷いた。

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める(プロフ) - ま、ます、真澄くんのとこで昇天しました…最高…( (2020年9月26日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
千里(プロフ) - えええ久しぶりの更新めちゃくちゃ嬉しいです待ってました、、、これからもずっと待ってるので、更新楽しみにしています(;_;) (2020年6月21日 15時) (レス) id: 290ff80d8c (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - 幸くんが最高に可愛いです…夢主くんもめちゃめちゃかっこよくて好きです!!更新応援してますね! (2019年12月31日 2時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 続きすごく気になります!更新無理しない程度にガンバってください!!!!!!応援してます (2019年12月14日 19時) (レス) id: e54dafa9c8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - すごくいい!すごく面白いです!!BLはちょっと無理なんですが、そういう感じじゃなくて、なんか、、こう見ていて普通に逆ハー!って感じで好きです!!これからも頑張ってください!応援してますー! (2019年10月30日 21時) (レス) id: 0a78293a93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あいす | 作成日時:2019年10月10日 15時

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