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しかしそんなことはどうでもいい。
私はある事実に俯き、ふるふると震えた。
｢…なーに震えてんの？
確かにナイトレイブンカレッジは寮生活だし、オレとなが〜い間離れちゃって？さみしい気持ちも？まあ？分からなくはな＿＿｣
｢ナイトレイブンカレッジってヴィル・シェーンハイトがいる学校じゃない？！！？！！｣
｢お前ってそういうやつだよな｣
少しでも期待したオレが馬鹿だったわ、とため息を着きながら失礼なことを宣うこの男。
こいつ。いつもだったらどうにかこうにかして倍返ししていた所だが今回ばかりは見逃してやることにした。
くそ、前から思ってたけどこいつ顔がいい。呆れた顔だけど顔がいい。
幼馴染みであるエースくんといい、その兄といい、ヴィルくんといい、元バイト先(ケーキ屋。めちゃくちゃおいしい)の息子といい、なんで私の周りには顔が良い人間が集まるのかだけで論文が書けそうな勢いである。
そういえば元バイト先の息子くんもナイトレイブンカレッジの生徒だったような。やだ私の周り優秀すぎ……？？
遥か彼方へ思考が飛んでいく私にじっとりとした眼差しを向けたエースくんは少しいじけているようにも見えた。
｢あ〜…そういやお前ヴィル・シェーンハイトのファンだったっけ｣
｢そういえばみたいなカンジやめて、あと呼び捨てんのもやめて、私この世に生まれ落ちた瞬間からファンだから｣
｢フーン｣
｢おいコラお前が聞いたんやろがい｣
こうして拗ねるところは若かりし頃の兄に似ている気がしなくもない。
ちなみに私は何度聞いてもエースの兄の名前が覚えられないので勝手に兄ッポラと呼んでいる。当の本人からはめちゃくちゃ不評であるが実は満更でもないことを私は知っている。
そして、兄も弟も一度拗ねるとなかなか機嫌が元に戻らないことも知っている。
全く、兄弟共々世話のやける幼馴染みである。
｢拗ねないの｣
｢べつに、拗ねてねーし｣
誰がどう見ても拗ねてます！というのが丸わかりの態度がここまでくると逆に可愛く見えてくる。
仕方ないな、と私は自分のティーカップをソーサーに置き立ち上がった。
｢出かけよ｣
｢ハァ？なんでオレまで｣
｢エースくんのお祝いにドライブだよ、ドライブ！
そのあとは前から行きたいとか言ってたハンバーガーショップにでも行こう。お姉さんが奢ったげる｣
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ウィルソンテソーロ（元:雪月花）(プロフ) - もしそのまま小説にされる予定でしたら、タイトルはそのままで……… (2月28日 0時) (
レス) id: d28e2b37b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかり
| 作成日時：2023年10月22日 19時
