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沖田side


「失礼するぜィ」


ノックもせずに、遠慮なく病室へ入る。


俺にそんな気遣いができるわけがない。

と、そんなことを考えながら病室のドアを開けた。


中に入ると上半身を起こして女は固まっていた。


大方俺が突然入ってきたことに驚いて恐怖してるのだろう。


「…あ、あの…どちら様ですか?」


声色で相当ビビってることが伺えた。


「真選組の沖田総悟でさァ。」


「あ、真選組…土方さんの…」


安堵したように息をつくと、女は口角を上げた。

土方の名前で安心したのは正直癪に障るが、それはどうでもいい。

「ええ。俺のことを土方さんになんと伝えられてるかはわかりやせんが…

とりあえず俺ァ別に怪しいやつではありやせん。」


俺がそう言うと、浅井さんは『そうですか。』と言い、くすりと笑った。

その姿が、何故か姉上に似ているのを感じた。


「沖田さんは、なんでここに?」

「ちょっと聞きたいことがありやす。」


俺が改まって言うと、浅井さんは顔に緊張感を走らせた。


「…浅井源五郎。」



「えっ…?」


「浅井源五郎について、何か知ってやすか?」




その名前を口に出した途端、浅井さんは人が変わったように黙り込んだ。



「その様子じゃあ知ってるってことですねィ。」


「し、知りません…っ…」


間髪入れずにそう言うと、浅井さんは膝を立ててその間に顔をうずめた。


「…私は…なにも…」


自分へ言い聞かせるように浅井さんは言った。


「…あんた、警察馬鹿にしてるんですかィ?

そんな状態で知らないとか、シラ切るの下手にも程があらァ。」


「………」


「今は言いたくないだろうが、なんか隠してるとなるとあとあと面倒ですぜ。」


「……」


「浅井源五郎は、昔から天人排除論を唱える攘夷志士。
この前もテロの脅迫がおこりやしてねィ。」


「…」


「まあ、あんな老いぼれなら何が出来るかわかりやせんが…

とにかく、本当になんか隠してると今日食べた昼飯ごと吐いて貰うことになりやす。」


「…脅すの?」


「脅す?」


ようやく口を割ったかと思えば、憤慨したように浅井さんは言った。


「私は何も知らない。そう言っているのに、なにか隠してるって決めつけて…

・・・・
何回私たちに干渉して迷惑行為すれば気が済むんですか?」


「迷惑行為?」


俺が反応すると、浅井さんははっとしたように口を抑えた。

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hikari(プロフ) - 若葉さん» ありがとうございます!正直に言う行き詰まっていたのでそう言っていただけただけで嬉しいです! (2017年4月16日 18時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
若葉(プロフ) - 完結おめでとうございます。少し不思議な話で、ちょっと好きな雰囲気でした。これからの活躍も楽しみにして居ます。 (2017年4月16日 9時) (レス) id: 3d0a97c40b (このIDを非表示/違反報告)
hikari(プロフ) - すずさん» ありがとうございます!なかなか更新が滞り申し訳ないです! (2017年4月4日 1時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 毎日、更新楽しみにしてます! (2017年4月3日 23時) (レス) id: 2283804e7c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:hikari | 作成日時:2017年3月28日 21時

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