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土方side


再び渡されたセピア色に褪せて古ぼけた写真。


左上に男。右上に女。真ん中には若い女。

そして若い女の下にいるのが子供。


みんな顔立ちがそっくりで、家族であることが伺えた。


この前見た時はそこまでじっくりと見てはいなかったが、家族というものはここまで顔立ちが似ているのかと思った。


するとチャイナ娘が口を開いた。


「探してるのは、浅井Aって女アル。」



「は?」


今日2度目の呆気に取られる感覚。


こうも浅井という苗字を何度も聞くと、偶然とは思えない。


俺は自然と動悸が速くなるのを感じた。


「…知ってんのか、土方くん。」


万事屋が怪訝そうに言った。


知ってるも何も、同じ病室だった。


盲目のあの女だ。



「心当たりは無きにしも非ずだ。」


「ほんとですか?!」


メガネが目を丸くして食いついてきた。


「ああ。…なんなら今から行くか。」


俺は何を思ったのか、そいつらに浅井を会わせることにした。



・・・


《509号室》


「入院してたんだな…道理て分からないわけだ。」


「この病室には今は浅井1人しかいねえ。」


俺はそう言うと、ノックをした。


『はい。どちら様ですか?』


久しぶりに聞く落ち着いた柔らかい声。


それだけ聞くと、やっぱりミツバを思い出してしまう。


そんな自分の煩悩を掻き消すようにして小さく深呼吸をした。


「土方だ。ちょっとお前さんに会いたいやつがいるらしくてな。」


『どうぞー』


引き戸をガラガラと開けて、奥のベッドに佇んでいたのはやっぱりあいつだった。


「土方さん、お久しぶりですね。

私とお会いしたい方がいらっしゃる…って、誰なんですか?」


盲目だからか、やっぱり俺の方を見ずにただ前を向いて喋る。


万事屋の3人はそれを見て不思議そうな目をしていた。


「土方くん。この子俺達の方一切見ないんだけど…」


「浅井は盲目なんだよ。」


「は?」


「だから俺らの方向が分かんねえからずっとこうして前を向いて喋る。」


「…じゃあ…」


「写真を見せても見えねえから、聞くしかねえよ。」


「写真?なんのことですか?」


「…あー、えっとだな…。とりあえず、俺は、万事屋という店を経営してる坂田です。

あんたのばあちゃんを名乗る浅井清子って奴から、お前さんに言伝を頼まれたんだ。」


「おばあ様が?私に?」


浅井の声が少し震えた。

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hikari(プロフ) - 若葉さん» ありがとうございます!正直に言う行き詰まっていたのでそう言っていただけただけで嬉しいです! (2017年4月16日 18時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
若葉(プロフ) - 完結おめでとうございます。少し不思議な話で、ちょっと好きな雰囲気でした。これからの活躍も楽しみにして居ます。 (2017年4月16日 9時) (レス) id: 3d0a97c40b (このIDを非表示/違反報告)
hikari(プロフ) - すずさん» ありがとうございます!なかなか更新が滞り申し訳ないです! (2017年4月4日 1時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 毎日、更新楽しみにしてます! (2017年4月3日 23時) (レス) id: 2283804e7c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:hikari | 作成日時:2017年3月28日 21時

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