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「銀さーん、神楽ちゃーん、もうむりですって。
写真が昔のもので、探してる人は成人してるのに写真には子供の頃の姿なんて…。
しかも名前しか分からないんでしょう?」
「うるせえなあ、これに今日の晩飯がかかってんだよ。
無理だったら卵かけご飯、達成したら焼肉。
お前は卵かけご飯なんて食べたくないだろ?」
「そうアル!全ては焼肉のためにワタシ達は働くネ!」
万事屋は、浅井清子に依頼された『ここ最近の写真が残っていない孫に自分の母親が死んだことを伝える。』という無理難題を実行していた。
「それに、ガキの頃だからって分からないわけじゃねえ。
鼻筋とか骨格は整形とか相当なことがない限り変わっちゃいねえ。」
銀時はそう言うと、キョロキョロと辺りを見回した。
「あ、あの子じゃね?」
「え?!どこですか?!」
「ほらほらあそこの…」
「銅像じゃねえか!!!」
「似てね?」
「一寸たりとも似てねえよ!!何言ってるんですか!そもそも性別からしてちがいますからね!?」
「まあまあ。どこに住んでんのかも分かんねえならまず、居場所を特定すりゃあいい。」
「そんなことできるんですか?」
銀時はうんと頷くと、長屋の立ち並ぶ場所へ歩き始めた。
「浅井A?知らねえな。」
・
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「浅井清子さん?浅井家?うーん…覚えてないなあ。」
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・
「銀さん、こっちもダメでした。」
「ワタシの方もダメだったアル…」
「ここじゃねえのか…」
そう言うと、銀時は清子の住む住宅街へ足を進めた。
「浅井さん?そこに住んでない?」
「いやいや、えーと…お孫さんの方です。」
「孫の方かー、出てった方だよな?わかんないです。」
「そうですか、ありがとうございます。」
「浅井?…ああ、あの家ね。分かんないわ。」
「そうですか…」
・・・
「銀さん、なんかここ浅井さんの名前出しただけで不機嫌な顔する人が何人かいますよ。」
「ああ。なんかあったな絶対。」
「Aの方が苛めてたとか?」
「いやねえだろそれは。」
「ないとはいいきれないアル。」
住宅街を歩いていると
「あ、土方さん。どうしたんですか?」
隊服姿の土方が通りかかった。
「退院したアルな。」
「ああ。ちょっとな。昨日退院した。」
「あの、土方さん。この人知りません?」
新八は写真を土方に見せた。
「この前の写真のやつか?ありゃ分かんねえよ。
名前とかねえの?」
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hikari(プロフ) - 若葉さん» ありがとうございます!正直に言う行き詰まっていたのでそう言っていただけただけで嬉しいです! (2017年4月16日 18時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
若葉(プロフ) - 完結おめでとうございます。少し不思議な話で、ちょっと好きな雰囲気でした。これからの活躍も楽しみにして居ます。 (2017年4月16日 9時) (レス) id: 3d0a97c40b (このIDを非表示/違反報告)
hikari(プロフ) - すずさん» ありがとうございます!なかなか更新が滞り申し訳ないです! (2017年4月4日 1時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 毎日、更新楽しみにしてます! (2017年4月3日 23時) (レス) id: 2283804e7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hikari | 作成日時:2017年3月28日 21時