20(改変) ページ22
「あ、土方さん。遅かったですねィ。」
「どの口が言ってんだ総悟！応援要請なら他の隊でも良かっただろうが。」
パトカーから降りて、現場に駆けつけると沖田率いる一番隊はなんとも言えない緊迫感があった。
「…いや、二番隊も呼んだんですがねィ…」
沖田の視線の先には、交差点を交通整理している二番隊の隊士たちだった。
「んで、何があったんだ。」
「この前渡した写真の攘夷志士が、とうとう姿を現しやした。
もう先も長くねえのに、考えが変わった無いみてえでテロの予告を堂々と俺に言ってきたんでさァ。」
どうやら、その攘夷志士は廃アパートに篭っているらしい。
土方はため息をつきながら新しいタバコを取り出して火をつけた。
「…ったく。はた迷惑な話でさァ。二番隊が着いたら野次馬がわんさかきやしてねィ。」
結局交通整理に回しやした。
「そいつの名前は？」
「浅井源五郎。」
「…ん？」
「んって、土方さん心当たりでもあったんですかィ？」
土方の頭には、先刻離れたばかりの病院の病室にいる盲目の女がいた。
「…い、いや、なんでもねえよ。
つか、財部正善じゃねえの？」
「偽名でした。
とりあえず、近藤さんには一応しばらく見張っておくと伝えやした。
何か不審な動きをしたら、怪我を負わせてでも引っ捕える許可はおりてやす。」
そう言うと沖田は、欠伸をした。
「…なんて言いやすが、正直浅井にはもうやる気なんてありゃしやせんよ。」
「は？テロをやる気がもうない？」
「ええ。というのも、最初浅井は『家族を探している。』と言っていやしてね。
そしたら捜索願を出してくれと言ったら、逆上したのかなんなのか、『俺ァ攘夷志士の浅井源五郎だ』なんて自己紹介しやしてね。
めんどっちいから、ほっといたら、
『テロを起こす！』なんてほざきやがった。
もし嘘だとして、ほっといてほんとにテロを起こされちゃあ堪らねえ。
だから二番隊呼んだら、野次馬が何故か凄い量きやしてね。」
「それで交通整理か。…ったく。めんどくさい野郎だな。」
土方はタバコの煙を吐くと
「大方構ってくれない仕返しでしょうねィ。」
「ジジイなんだろ？それで構ってくれないから…ってどんだけ大人気ないんだよ…」
呆れたように返した。
「ジジイもババアも生きたら大抵は赤子に逆戻りが自然の摂理でさァ。」
「で、今のところはなにも動きはないんだな？」
土方の言葉に、沖田はこくりと頷いた。
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hikari(プロフ) - 若葉さん» ありがとうございます！正直に言う行き詰まっていたのでそう言っていただけただけで嬉しいです！ (2017年4月16日 18時) (
レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
若葉(プロフ) - 完結おめでとうございます。少し不思議な話で、ちょっと好きな雰囲気でした。これからの活躍も楽しみにして居ます。 (2017年4月16日 9時) (レス) id: 3d0a97c40b (このIDを非表示/違反報告)
hikari(プロフ) - すずさん» ありがとうございます！なかなか更新が滞り申し訳ないです！ (2017年4月4日 1時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 毎日、更新楽しみにしてます！ (2017年4月3日 23時) (レス) id: 2283804e7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hikari | 作成日時：2017年3月28日 21時
