【沖田総悟】マイボーイ【銀魂】 (ページ5)

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今は11月の末。あの彼氏と別れてから、三ヶ月が経過した。

あれほど暑かったのに木枯らしが吹くようになった。

私の気持ちみたいに、夏の暑さが消えて行くように季節はいつの間にか移ろうのか。

ポエムみたいだ。

へんで、可笑しくて、私は買い物帰りの空を見上げてクスリと笑った。

昨日、誕生日を迎えて晴れてハタチになった。酒もタバコも自由である。タバコは吸わないけど、お酒は飲む。

妙に真面目だった元彼は私を一度として酒を飲ませることはなかった。

「自由だ…」

別れてからしばらくは、ずっと一緒にいたからこその喪失感と疲労感が後を絶えなくて毎日枕を濡らしていたのだ。

それなら別れなきゃいいのに、と周りから言われるのだけどそうじゃない。

それとこれとは違う話で、別れなかったら別れなかったで愛情が片方にない不思議でへんな依存関係になっていたこと請け合いなので。

やっと木枯らしとともに私の身が自由になったことを実感した。少し、遅いだろうか。

時計台のある公園で、私はぶどうサワーの缶を開けて口をつけた。

(へえ…お酒ってこんな味なんだ。)

ブドウジュースだけど、その中にある苦い何かが喉に残る。

あんまり好きじゃないけど、でも今日はいいじゃん。

昨日は家族がアパートに来てくれて、焼肉に連れ出された。そこで親と三人でビールを飲んだ。弟と妹はまだ子供だからジュース。それを乾杯した。

久しぶりの家族が嬉しかったのか、それとも人の顔を見てご飯を食べるのが三ヶ月ぶりなのが嬉しかったのか、私の両目から小さな涙が落とされた。

一人で飲むのも、いいね。

ほんわりとした暖かさがお酒に酔うこと。ベロンベロンになることは良くないよ、なんて親に言われた。

だから元彼の醜態など話そうものならきっとびっくりしてたのではないか。

「っしゃー、帰るかー。」

「おい、そこの女、止まりな。」

「え？誰ですか。」

「…真選組でさァ。酒飲める歳の証明を見せろ。」

そして、この先の未来でこのクソみたいな態度の男と恋愛することになるとは、びっくりである。