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お母さんちゃんとご飯食べてる?
A大丈夫。食べてるよ。
「銀時、ご飯。」
「ん…ありがと。」
「…帰らないの?」
「締め出された。」
「…ふーん。また何かやらかしたわけ?」
「人聞き悪ィこと言うなよ。別に犯罪なんてしてるわけでもねえのに。」
「どうせ神楽ちゃんとか新八くんの給料になるはずだったお金パチンコとキャバに溶かしたんでしょ。
…はあ、呆れるよ全く。」
「なんで知ってるんだよ…!さては聞いたな?!あの二人に!!」
「聞かずとも毎日のように日報みたいにお妙さんから新八くんたちの愚痴をそのまま受けてるの。もう勘弁してくれないかな。」
九月に入ったばかりの、まだまだ暑い頃。一人暮らしをしている私のアパートに銀時が何故か転がり込んできた。
まあ原因としては二つ考えられるけど、銀時がベロンベロンに酔ってないところを見ると、間違いなく同居している神楽ちゃんからなんらかの理由で締め出されたみたいで。
年下の彼女の家に上がり込み飯をもらう情けない男のその顔には、数カ所に軽く腫れた肌と青く進化した痣があった。
そんな間抜け面でしょぼくれたように、銀時は私に答えた。
「…悪いと思ってるさ。」
「あっそ。」
愛想…はとっくに尽きている。というのが正直のところだった。
でも誰にだって社交というものが必要だし、銀時の口から女の人の名前や話が出てくるのも、かぶき町に住んでいる限り仕方なのないことだと割り切っている。
だけど本当は嫌なものは嫌だし、パチンコだってキャバ嬢だっていって欲しくない。その大きな手のひらをキャバ嬢にセクハラするために使って欲しくなかった。
まあそんなキャバ嬢とラインを交換している私も私なんだけど。
(……別れたら、どれだけ楽なんだろう。)
目の前で私の作ったオムライスを食す銀時の姿を見て、カッコいいとかそれよりもこんなことを考えている時点で私も彼女失格な気がした。
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ふゆき(プロフ) - 歩く中二病@ごりらーさん» お気遣いありがとうございます。 (2018年8月30日 20時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
歩く中二病@ごりらー(プロフ) - 続き、楽しみにしてます!無理しない程度に頑張ってくださいね (2018年8月30日 20時) (レス) id: c177f1386f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふゆき | 作成日時:2018年8月30日 2時