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「馬鹿だ。途方もなく、途轍もなく、救う余地も、呆れる余地もねェくらいの、大馬鹿女。
あくびも笑いもろくに出やしねえ。俺はそんな悪口のオンパレードを聞いてどう言えばいいんでさァ。」
「……」
「何でそんな元彼の悪口ばかり言いやがる。まあどうせ…そんな簡単に目につくような悪いとこばかり言って、てめェを正当化してんだろうが…
それであんたがそんなクズ男と付き合った過去が無効になるわけがねェだろィ。
言ってみろィ、もっと詳しく、てめェがそのクズな面しか見当たらねえような男と、"一年も付き合えた理由"を、細かくな。」
沖田くんの目は、相変わらず色も付いてない、乾いたようなまっさらな赤い目で。
それが捉える私の情けない姿と言ったら。
「…言えよ、ほら、」
「やだ…やだ…」
寒い気温に暖房もつけない部屋。椅子から立ち上がった私は冷たい床に裸足で立った。
「…なんで言えねえんだよ。」
「………また…好きになりそうだから…。」
「…正解。」
「……っ」
「あんたが洗面台に男物のシェーバーを乱雑どころかむしろ超絶綺麗にしまってたり、隠してるつもりだろうが、この部屋の雰囲気にあわねェのに目立つところに飾ってある髪飾りも。
未練が残ってるから、その思い出だけを残してんだろィ。断ち切ったつもりだろうが…本当に断ち切ったってんなら、そんな思い出もシェーバーも捨てたりしまったりしてんでさァ。
それでも思い出を残したいってんなら…」
「俺がそれを塗り替えてやってもいい。」
「…!!」
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ふゆき(プロフ) - 歩く中二病@ごりらーさん» お気遣いありがとうございます。 (2018年8月30日 20時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
歩く中二病@ごりらー(プロフ) - 続き、楽しみにしてます!無理しない程度に頑張ってくださいね (2018年8月30日 20時) (レス) id: c177f1386f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふゆき | 作成日時:2018年8月30日 2時