猫6匹 ページ6
(ん…あれ、ここどこ…)
日向が暖かくてそのまま寝ていた私。目を覚ますと間違いなく公園ではないところに来ていた。
(まさか寝ながら移動してた…?)
こんなこと夢遊病でもない限りありえない。
それなのになぜこんなところに来ているのだろうか。尻をついてる床は冷たくて見渡すと茶棚がある。
どうやら室内にいるようだった。
「おい総悟、こいつァどういう了見だ?『猫』なんざこの屯所にはいねえはずだが。」
どすん、どすん、地震が頻繁に起こっているような地響きにびっくりして飛び上がるが、その地響きは足音だったらしい。
真っ黒い服を着た男が私の方へやってきて、軽々と私を持ち上げていた。
(う、うわああああ!)
なんでだ!私は人間の状態のはずじゃ…まさか!
もしかして…いや、もしかしなくても私の体が猫に戻ってしまったらしい。
男は私を持ち上げると外へ離してくれた。
だがもう一度地響きが鳴り、一際大きな音を立てる方へ向くと先程私を追いかけてきた男…沖田総悟が降りてきた。
「…いやぁ、もの寂しそうに眠っていやしてね、男だらけのむさいこの屯所には猫みてえな癒しも必要なんじゃないですかィ?」
「ふざけんな。今すぐ元に戻してこい。」
誰かの飼い猫だったらどうするんだ。
「そんなことはありえやせん。」
沖田総悟に抱っこされた。え?まじ?
そのまま沖田は私の首元に手を当てて撫で始める。
え?めっちゃ気持ちいいんだけど、慣れてんの?
「普通飼い猫だったらこんなにみすぼらしい毛並みじゃないですからねィ。手足もガリガリ。これじゃ見るまもなく死んでしまいやすぜィ?」
(あれ、猫神もそうだけど私って人間でも猫でも他から馬鹿にされるような存在なわけ?)
「そりゃそんなに細っちかったらな。だけどそれとこれとは違う。さっさと元に…」
「いいじゃないですかィ。さっき近藤さんに見せたら凄い気にいってたんですぜィ?」
「オマエ…」
「近藤さんすごいデレデレでしたけどねィ。猫は寝てたから逃げやせんでした。相当物怖じしないふてぶてしいやつなんですよ、きっと。」
(いやそろそろ怒っていいよね。つーかこいつ猫が人間の言葉を知らないとでも思ってんのか。
こちとら元人間だ。聞くどころか話すこともできるっての。)
沖田はその整った顔を私に向けると、そっと優しく微笑んだ。
(…うわ、めっちゃイケメン…)
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インク(プロフ) - ふゆきさん» 完結おめでとうございますw沖田くんが不器用なのは知ってた←そこが可愛いんやろ。沖田くんは私の中ではいつまでも好きなキャラ1位だな(`・ω・´)キリッ (2018年3月7日 16時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき(プロフ) - インクさん» 夢女子は悪くありませんよ…(・∀・) (2018年3月6日 23時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - 更新されるたびにヒヤヒヤしてます...沖田くん、頑張れぇ... (2018年3月6日 23時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - そもそもが人間なんだからしゃーないしゃーない。てか、それを受け入れろよ。現実を受け入れろよ沖田くん←現実を受け入れずに夢小説に現実逃避してるのはどこの誰でしょーねー。分かったらさっさと自分の将来とか考えろや(ヒィ!すみませんでした!)という茶番でしたw (2018年3月5日 19時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき(プロフ) - まかろんさん» ありがとうございます!沖田は絶対猫派だと信じてますからね。はい。 (2018年3月4日 18時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふゆき | 作成日時:2018年2月25日 15時