猫4匹 ページ4
「ヨッテ今日カラ願イガ叶ウマデ猫ニナレ。」
そう告げられた瞬間、私の周りが更に強い光を放った。というより私が発光体になっている。
光に驚く間もなくて、私の視界はどんどん低くなる。
「う、うわ…あああ…」
光が収まる頃には、腰くらいの高さにあった賽銭箱は遥か目の上に、同じ目線だった祠は更に遥か目の上へ。
猫の式神は私の体に合わせているのか、しゅいいいん…と音を立てながら静かに地面へと立った。
「どうじゃ、猫になったぞお前は。」
「え、片言じゃにゃい…っあ…」
「当たり前にゃ。猫は猫と話すことができる。」
「やっぱり貴方猫にゃんですか。」
「そうにゃ。お前も立派に猫語がはなせているにゃん。」
式神は真っ黒い猫だった。首元にある黄色い鈴はどっかの青いロボットみたいに半端に大きい。
しかし私は本当に猫(完全体)になってしまったらしい。信じられないが自分の放つ声が心成しか高い猫の鳴き声に聞こえる。
「ていうか、私の願いがかにゃうまで…って、私別に願い事なんかしてにゃい…」
「していたにゃん。」
「え?!」
「そろそろ恋人欲しい。ってにゃ具合ににゃ。」
「えええ!!じゃあ私恋人が出来るまで猫じゃにゃきゃにゃんにゃいにょ?!」
「当然にゃ。賽銭箱に一銭も入れずに願掛けにゃんざ不謹慎にゃ。神様であれにゃんであれ必ず対価を支払うことで取引は成立するにょじゃ。」
かっかっか…そんな笑い方で私のことをおちょくる式神。
「猫の恋人じゃあ」
「ダメにゃ。お前は人間の恋人が欲しいと言ったにゃん。心にそう書いてある。」
「うう…でもどうやって?」
「仕方ないにゃ…じゃあ特別にじゃ。いつまでもこんにゃやつが猫になられても困る。それに大した美猫でもにゃいし。」
「いくらなんでも式神でもぶっ飛ばしますにゃ!!」
シャアアアアアと威嚇をすると、式神はおお、こわいこわい、そんなふうに言いながら私の首元に何かを作った。
「え?にゃにこれ。」
「…人間に戻れる。」
「おおお!!じゃあこれ押せばいいんだにゃ!」
「ちょ…押すにゃ!それは一日一回三時間…」
そんな声も聞かず、私は首元の青い鈴をチリン…と鳴らした。
「も、戻った!」
「我ハ知ランゾ。モウ一度言ウガソノ効果ハ一日一回三時間マデ。ダカラ今日ハモウツカエナイ。」
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インク(プロフ) - ふゆきさん» 完結おめでとうございますw沖田くんが不器用なのは知ってた←そこが可愛いんやろ。沖田くんは私の中ではいつまでも好きなキャラ1位だな(`・ω・´)キリッ (2018年3月7日 16時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき(プロフ) - インクさん» 夢女子は悪くありませんよ…(・∀・) (2018年3月6日 23時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - 更新されるたびにヒヤヒヤしてます...沖田くん、頑張れぇ... (2018年3月6日 23時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - そもそもが人間なんだからしゃーないしゃーない。てか、それを受け入れろよ。現実を受け入れろよ沖田くん←現実を受け入れずに夢小説に現実逃避してるのはどこの誰でしょーねー。分かったらさっさと自分の将来とか考えろや(ヒィ!すみませんでした!)という茶番でしたw (2018年3月5日 19時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき(プロフ) - まかろんさん» ありがとうございます!沖田は絶対猫派だと信じてますからね。はい。 (2018年3月4日 18時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふゆき | 作成日時:2018年2月25日 15時