猫24匹 ページ24
(逃げられた…かな。)
山崎さんの言う通り、部屋の近くには裏口があった。
そこで身を屈めて出ていくと、繁華街へと続く裏道が伸びていた。
繁華街での事件が起こった場合すぐに出動するための出口なのかもしれない。
とりあえず私は服についた埃を振り払うとそのまま繁華街へと歩いていく。
まだ朝だからそこまで賑わっているわけでもなく、特有の治安の悪さを醸し出してはいなかった。
「花さんですか?」
「…え?」
キョロキョロと沖田がいないか見渡しながら歩いていたら、私を見てきょとんとしていたのはいつぶりかに会った従兄弟の志村新八だった。
「新八?なんで…」
「それはこっちのセリフだよ。いままでどこにいたの?それにどうしてここにいるの?みんな心配して僕のアルバイト先に依頼をしてきたんだよ。」
「…あー…」
新八は私の方へ歩いてくると、『帰ろう、叔母さん待ってるよ。』と言ってくれた。
だけど今の私が帰るわけには行かない。帰ったとしてもあと二時間程で猫になってしまい振り出しにもどるのだから。
だけどこんなことを言っても常識人の彼にはわからないだろう。多分そのメガネが割れるほど困惑するに違いない。
「…お母さんに伝えてくれる、新八くん。」
「え?」
「私、今は帰れないの。のっぴきならない理由があって顔を合わせられないの。」
「なんで…」
馬鹿げた話だ。お賽銭もなしにお祈りしたら猫にさせられたのだから。
「だけど大丈夫。なんとかするから。」
まだ見えぬ、『恋人』の存在に一縷の希望を託して。
「だから追いかけてこないでほしい。」
「花さん…!」
82人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
インク(プロフ) - ふゆきさん» 完結おめでとうございますw沖田くんが不器用なのは知ってた←そこが可愛いんやろ。沖田くんは私の中ではいつまでも好きなキャラ1位だな(`・ω・´)キリッ (2018年3月7日 16時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき(プロフ) - インクさん» 夢女子は悪くありませんよ…(・∀・) (2018年3月6日 23時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - 更新されるたびにヒヤヒヤしてます...沖田くん、頑張れぇ... (2018年3月6日 23時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - そもそもが人間なんだからしゃーないしゃーない。てか、それを受け入れろよ。現実を受け入れろよ沖田くん←現実を受け入れずに夢小説に現実逃避してるのはどこの誰でしょーねー。分かったらさっさと自分の将来とか考えろや(ヒィ!すみませんでした!)という茶番でしたw (2018年3月5日 19時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき(プロフ) - まかろんさん» ありがとうございます!沖田は絶対猫派だと信じてますからね。はい。 (2018年3月4日 18時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふゆき | 作成日時:2018年2月25日 15時