ひとつ屋根の声【赤】

04:太陽みたいな君 ページ4

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もっと教えて、というと


なんでも聞いてと言う



その言葉に甘えて質問をすることにした





『重岡大毅は、本名？』



「本名」



『何かグループを持ってるの？』



「……ジャニーズWESTっていう7人組。


俺は、赤」





じゃあセンターだ、と言うと彼は恥ずかしそうに笑った




『ドラマとか、よく出るの？』




「最近はな。よう出させてもらっとる」




『歳は？いくつ？』




「……27」




その言葉に何より驚いてしまって、思わず彼を凝視する





「…どうかしたかい」




無邪気に笑う顔を見ながら、


かろうじて絞り出せた声で伝える





『…もっと、歳近いかと思ってた、』




「そう思ってると思っとった！」と大きく笑うしげちゃんの目の下に可愛いエクボができた。



若く見えるのは、これも原因があるだろうな、と

1人で納得する。






「そっちは？何歳？」




散々笑って、笑い終えたあと


眉を少し上げて聞くしげちゃんが一瞬大人っぽく見えて、息をするのを忘れた。


ほんと、一瞬だけ。





『はたちです。まだ大学２年』




あ、ほらまた。


太陽に雲が重なる瞬間のように


綺麗なんだけど、どこか静かになる






「……めちゃめちゃ離れてるやんけ！

大人っぽすぎひん？老けてるんちゃう！？」




まぁ、その太陽もまたすぐに顔を出すのだけれど。




あまりにいつも通りなものだから、拍子抜けしてしまう。




いや、いつも通りが良いんだきっと


変にギクシャクするより






『…ご飯、食べますか』



「あ、ニラもろてん！ニラ和えつくろうや！』


張り切って白いシャツの袖をまくる彼を見て、笑顔が溢れた


『えぇ、つくれるの？』



「ナメたら痛い目見るで！グランメゾンしげちゃんやからな！」






笑うしげちゃんに笑い返す



この人がアイドルでも芸能人でも、

“私の隣に住む仲の良い人” という位置は変わらないのだから

いいか、深く考えなくても。




台所に立つしげちゃんの背中を見ながら思い出す。



週刊誌を真剣に読む彼にそれがそんなに面白いかを

尋ねたとき




「週刊誌は俺の生きる力よォ」という言葉


あのときは意味がわからなかったけれど


なるほど、自分がこういう失敗をしないように

学んでいたんだ。



ほんと、生きる力だね





「な、サボる気やなぁ？一緒に作るで！」




生きる力、というくらいだ



アイドルの重岡大毅に、迷惑はかけないようにしようと心に決めた

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