４９？これはきっと、青春の起源 ページ22
今江はまず、病気持ちだった親友にその瓶の話をした。
そいつはとにかくおもろいことが好きなやつだったから、
その話をすぐに信じた。
そして、先が長くない自分に飲ませてくれ、と今江に頼んだ。
今江もそいつが長くないことを知っていたから
神に賭けるような気持ちで瓶を渡した。
もし中身がただの毒だったらそのときは自分も死ぬつもりで
今江も一緒にそれを飲んだ。
何を望んだのかは聞いていないけど、
おおかた親友が健康でいられるようにとかそんなとこだろう。
そうして、赤と緑のモンスターが同時に誕生した。
それから二人はその瓶で仲間を集めることにした。
人々に嫌われ、盗みをしないと生きられなかったふたりぼっちの少年たち、桃色と紺色。
世界にうんざりしていた優しい娼夫の青年、青色。
路地裏で金品を奪われ、瀕死だった少年、紫。
そして、死んだ女の生まれ変わりに会うため
長生きをしなければいけなかった、銀と、黄色。
集まった俺たちはモンスターとして世界を楽しんだ。
あの頃は昼も空を飛んでいた。
俺たちは自由だった。
賑やかな町の上を飛び回って、
時にはいたずらなんかもして。
楽しかった。
だけど、それは永遠じゃなかった。
美味い飯を食いたいと願った桃色と紺色が、
広い世界を見たいと願った青色が、
自由になってみたいと願った紫が、
満足して消えていった。
モンスターになってから2年も経っていなかったと思う。
今江が仲間にしたやつはみんな
明日死んでもいいと思っていたようなやつらだったから
2年というのは満足するには充分すぎる時間だったらしい。
消える間際、あいつらは口々に
「こんなに生きるつもりじゃなかったのに」と笑った。
間を開けず、赤色も満足して消えた。
後を追うように今江も消えた。
消えたあいつらの瞳を、今江がどうして取っておいたのかはわからない。
自分の瞳も綺麗に保管してあったのは驚いた。
ただの思い出のためなのかもしれないけど、
300年後の今江はなぜか俺らを忌み嫌ってたな。
まあ、300年も経てば思い出も形を変えるんだろうな。
今江は消える時、俺らに残りの瓶を託した。
それから俺たちは、同じように女を待っているやつらを見つけて、
あのときの今江のように瓶を渡した。
それが、お前ら。
そこからの290年ちょっとはお前らが知ってる通りだと思う。
５０目の前の君が知らない君のような気がして→←４８その瞳が教えてくれるのは愛か哀か
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MaKoto（埃）(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます。なかったことには絶対したくないし、やっぱり６人を追っていきたい気持ちが自分にもあるので、夢の中だけでも６人を描いていきたいです。もっともっとおもしろいものを書くのでそのときはまた読んでください！ (2月27日 12時) (
レス) id: 7941e71030 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - お疲れ様でした。完結ありがとうございます、彼がずっと大好きで、これからも大好きです。まだ受け入れられないし、私の中では6人でAぇ!groupとしか考えられなくて…。なのでこれからも6人の物語が読みたいです。MaKotoさんの書くお話が大好きです。楽しみにしています (2月27日 11時) (レス) @page40 id: 8e0d3b7125 (このIDを非表示/違反報告)
み - 初めて読みましたが泣ける。生まれ変わってまた6人が会える日が来ると願います。更新楽しみにしてます (12月21日 15時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとうございます🙌🏻小島くんも佐野くんも悲しいです😢これからも更新頑張ってください💪🏻🔥 (8月9日 12時) (レス) @page33 id: 33203d08f7 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとございます😭😭😭小島くん悲しいです😭これからも更新楽しみにしてます！更新ファイトですっ！！！！！！ (5月15日 9時) (レス) @page31 id: dc37ea6a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MaKoto | 作成日時：2022年3月26日 11時
