４４本性は隠してこそ ページ17
生まれて初めてだった。
真夜中の町を歩くのは。
歩を進めるたび、足元で砂の音が小さく響く。
私の足音だけが地面に響いているのが寂しくて
空を見上げた。
大きい翼を動かすモンスターが２人いることを確認して
山の入り口へ向かう。
木の上まで飛行の高さを上げる二人を見て、
私も木々の間に入ろうとした瞬間だった。
「Aちゃん？」
後ろで、私以外の足音と一緒に聞こえた声。
私を心配そうに呼ぶその声。
覚悟を決めて、ゆっくり振り返った先にいたのは
予想通りの人で。
『今江さん……』
垂れている目が大きく開いて、私を捉えている。
「無事やったんや……！よかった、心配してたんやで」
近づく今江さんに、思わず１歩あとずさってしまう。
そんな私に、今江さんは眉間にシワを寄せた。
「モンスターに丸め込まれたんか？
Aちゃん、モンスターのとこから逃げ出してきたんやろ？」
こんな今江さん初めてだった。
私の知っている今江さんは町の大人みたいにモンスターについて
悪くいうんじゃなく、一歩引いて、俯瞰している人だったのに。
ちがう、と口を開いた瞬間、頭上から声が聞こえた。
「は？ 今江？」
慌てたような翼の音がして、
私と今江さんの間に二人のモンスターが降り立つ。
「お前今江やんな？うわぁ、久しぶりやなぁ」
いつもより少しだけ幼くなったリチャくんの言葉遣いに圧倒されていると、
二人の奥から、今江さんの声がした。
「……なんで俺の名前知ってんねん」
突然、強い風が吹いてセイヤくんの髪が揺れた瞬間、
興奮したように今江さんが呟いた。
「銀の瞳、！銀と、黄色。
やっとや、俺の代でやっと、全員見つけた」
「は？何言うてんねんお前」
困惑しているセイヤくんの声なんてお構いなしに、今江さんは続ける。
「緑、紫、青、紺、赤、桃。
この6色はすぐ見つかったと言われてるのに、
黄色と銀はずっと見つからへんかった」
今江さんの言葉に、呆れたように笑いながら
「緑はお前やん」と言うリチャくん。
全部お前が始めたんやろうが。
冷たくも切ない言葉が宙を舞う。
目の前にいるセイヤくんたちがどんな顔をして
今江さんを見ているのか、
見たいようで見てはいけない気がしていた。
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MaKoto（埃）(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます。なかったことには絶対したくないし、やっぱり６人を追っていきたい気持ちが自分にもあるので、夢の中だけでも６人を描いていきたいです。もっともっとおもしろいものを書くのでそのときはまた読んでください！ (2月27日 12時) (
レス) id: 7941e71030 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - お疲れ様でした。完結ありがとうございます、彼がずっと大好きで、これからも大好きです。まだ受け入れられないし、私の中では6人でAぇ!groupとしか考えられなくて…。なのでこれからも6人の物語が読みたいです。MaKotoさんの書くお話が大好きです。楽しみにしています (2月27日 11時) (レス) @page40 id: 8e0d3b7125 (このIDを非表示/違反報告)
み - 初めて読みましたが泣ける。生まれ変わってまた6人が会える日が来ると願います。更新楽しみにしてます (12月21日 15時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとうございます🙌🏻小島くんも佐野くんも悲しいです😢これからも更新頑張ってください💪🏻🔥 (8月9日 12時) (レス) @page33 id: 33203d08f7 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとございます😭😭😭小島くん悲しいです😭これからも更新楽しみにしてます！更新ファイトですっ！！！！！！ (5月15日 9時) (レス) @page31 id: dc37ea6a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MaKoto | 作成日時：2022年3月26日 11時
