４１その文字も翼も、いつかの君が練習したのだろう ページ14
枕元に、見慣れない紙切れがあった。
少し雑に折り曲げられたそれを、寝ぼけながら開く。
”おれの名前はどうかくでしょうか”
お世辞でも綺麗だとは言えない文字。
昨夜この部屋に来たコジケンを思い出す。
顔を合わせたら会話を続けてくれないくせに、
急に文通するんだ、と笑ってしまう。
朝から弾んだ気持ちになりながら、
一行下に”健”と書いた。
コジケンの思い人が、彼に教えた漢字。
あれを話すコジケンの顔はすごく優しかったなと思い出す。
なるべく綺麗に折った紙切れを握って、コジケンの部屋に向かった。
『コジケン？』
大きな翼を広げ、部屋の窓から出ようとしていた彼は
ゆっくりこちらを向いた。
『これ、置いたのコジケンだよね？
……はい、どうぞ』
窓際で「おう」と紙切れを受け取ったコジケンは、
それを開きもせず胸元に入れた。
『今日も町に降りるの？』
私の質問に、コジケンはまた「おう」と呟いた。
唇を尖らせて言うから、拗ねた子供みたいだ
『なんで、最近そっけないの』
紫色に染まった瞳が、私の瞳を捕まえる。
「……Aはさ」
秋の風が、コジケンの羽一枚一枚を揺らす。
Aはさ。の続きは何だろう。
コジケンの口が動いた瞬間、
「おい、メシやで」
声が聞こえた後ろを振り向く。
『セイヤくん、』
セイヤくんはリビングの方へ向けた親指を固めて、
私とコジケンを交互に見た
「悪い、邪魔した？」
眉を下げて笑うセイヤくんに首を横に振る
コジケンを見ると、
彼は眉間にシワを寄せたまま目を瞑っていた。
「俺、いらん」
翼がはためく音が部屋に響いて、
コジケンはあっというまに出て行ってしまった。
「ほんまに邪魔やったみたいやな？」
笑うセイヤくんに苦笑いで返す。
『どうだろ、最近全然話してくれないから』
あいつはなぁ、と頭を掻きながらリビングへ向かうセイヤくんについていく。
「まだこどもやからなぁ」
300年以上生きたセイヤくんが、
300年以上生きたコジケンに言うその言葉の真意がわからなくて
眉間にシワを寄せて目を瞑っていたコジケンがわからなくて
今度は私が眉間にシワを寄せる方だった
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MaKoto（埃）(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます。なかったことには絶対したくないし、やっぱり６人を追っていきたい気持ちが自分にもあるので、夢の中だけでも６人を描いていきたいです。もっともっとおもしろいものを書くのでそのときはまた読んでください！ (2月27日 12時) (
レス) id: 7941e71030 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - お疲れ様でした。完結ありがとうございます、彼がずっと大好きで、これからも大好きです。まだ受け入れられないし、私の中では6人でAぇ!groupとしか考えられなくて…。なのでこれからも6人の物語が読みたいです。MaKotoさんの書くお話が大好きです。楽しみにしています (2月27日 11時) (レス) @page40 id: 8e0d3b7125 (このIDを非表示/違反報告)
み - 初めて読みましたが泣ける。生まれ変わってまた6人が会える日が来ると願います。更新楽しみにしてます (12月21日 15時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとうございます🙌🏻小島くんも佐野くんも悲しいです😢これからも更新頑張ってください💪🏻🔥 (8月9日 12時) (レス) @page33 id: 33203d08f7 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとございます😭😭😭小島くん悲しいです😭これからも更新楽しみにしてます！更新ファイトですっ！！！！！！ (5月15日 9時) (レス) @page31 id: dc37ea6a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MaKoto | 作成日時：2022年3月26日 11時
