４２大人の２人は今と書いて、六人と読む ページ15
「あ、リチャ！コジマ食わんって！町に行った」
どうやらマサヤとタイセーくんも町にいるようで、
いつかのマサヤの言葉を思い出す。
”あの人は最近、焦って見える”
もしかすると、’焦って’いるのはコジケンだけじゃないのかもしれない。
その点、目の前のふたりは全く焦っているようには見えなかった。
何も動じず、時がくるのを待つだけ。
これが、セイヤくんの言う’子供’ ではない、ということなのだろうか。
わからない。
わからないけど、解る必要など、きっとない。
私はモンスターではないし、
18年しか生きていない正真正銘の子供なのだから。
ふと、リチャくんの瞳が目に入った。
いつだったか、セイヤくんが色の違う目を見せてくれた時に言っていた、
”汚れている金”。
これも、子供を乗り越えた証なのだろうか。
「……どしたん？めっちゃ目ぇ見るやん(笑)」
突然交わった視線に思わず動揺してしまう。
汚れた金色が気になって、なんて言えるはずもなく。
えと、その、あの。
「あ、俺が言ってん。
リチャの片目はよう見たら汚れた金やでって」
「汚れたとか言うなや(笑)たしかに綺麗ちゃうけど」
視線がもう一度、ぶつかる。
六人の誰よりも強い目力に負けないように、
右と左の瞳を交互に見比べた。
『ほんとだ！左だけ少し…くすんでる感じ
でも…なんでモンスターの中で二人だけ、？』
私の質問にふたりは、
いろんな感情が混ざったような顔で見つめあった。
話し始めたのはセイヤくんで。
「この目は、あいつらが知らんことを知っとる目。
今はもう、必要ない」
再び口をつぐんだセイヤくんをみて理解する。
彼らは、想い人という過去を見つめながら、
それでも’今’を生きているんだと。
今、6人でいること。
それだけが、今の彼らのすべてなのだ。
バサバサと小さな翼の音がして、
マサヤとタイセーくんが帰ってきたとわかる。
リビングに顔を出したヨシノリくんをみて、
リチャくんは「スープ温めなおさな」とキッチンへ戻った。
この洞窟が暖かいのは、きっとそれぞれが愛を持っているからだ。
素っ気なかったコジケンにも、今度は私から話しかけてみよう。
あの手紙の意図は何だったのか、
あの時何を言いかけたのか、
全部教えてもらおう。
だけど日が暮れてしばらく経っても、
コジケンは帰ってこなかった。
４３守られてばかりは嫌だから→←４１その文字も翼も、いつかの君が練習したのだろう
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MaKoto（埃）(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます。なかったことには絶対したくないし、やっぱり６人を追っていきたい気持ちが自分にもあるので、夢の中だけでも６人を描いていきたいです。もっともっとおもしろいものを書くのでそのときはまた読んでください！ (2月27日 12時) (
レス) id: 7941e71030 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - お疲れ様でした。完結ありがとうございます、彼がずっと大好きで、これからも大好きです。まだ受け入れられないし、私の中では6人でAぇ!groupとしか考えられなくて…。なのでこれからも6人の物語が読みたいです。MaKotoさんの書くお話が大好きです。楽しみにしています (2月27日 11時) (レス) @page40 id: 8e0d3b7125 (このIDを非表示/違反報告)
み - 初めて読みましたが泣ける。生まれ変わってまた6人が会える日が来ると願います。更新楽しみにしてます (12月21日 15時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとうございます🙌🏻小島くんも佐野くんも悲しいです😢これからも更新頑張ってください💪🏻🔥 (8月9日 12時) (レス) @page33 id: 33203d08f7 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとございます😭😭😭小島くん悲しいです😭これからも更新楽しみにしてます！更新ファイトですっ！！！！！！ (5月15日 9時) (レス) @page31 id: dc37ea6a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MaKoto | 作成日時：2022年3月26日 11時
