才能 ｰ special ｰ

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移動も込みで時間にして約1時間。
さすがに帰っていないだろうというメンバーの思い通り、電気はついていなかった。



それでも万が一ということがあるので、念の為まず捧さんが1人で入ってみる。
人の気配がないことを確認した後に他のメンバーも足を踏み入れた。



いつ帰ってくるか分からないため電気はつけず携帯のライトだけで足元を探る。
下は見えても隣は見えないからたまに誰かと誰かがぶつかる音が聞こえたり。
ライトで照らしているにも関わらず何かを踏んで痛てぇ、と呟く声があったり。



なんやかやと言いながらクラッカーを全員が持ち、準備は整った。



｢これどうする2人が電気つけてから鳴らす？｣


｢いやそうすると2人リビング来ない可能性ありません？｣



暗闇で相馬とロケマサの声が聞こえる。



｢ああもういきなりベッド？笑｣


｢……それはないやろ｣


｢誰かが2人入ってきたタイミングでつけた方がいいと思いますけどね｣



鶴の一声ならぬ捧の一声。
あっという間に誰がやるかという話になった。



｢俺、俺やりたいっす！｣



目立ちたがりの高校生のように元気な声。
見えないけれどきっと一生懸命はい！はい！と
手を挙げているのだろう。



大役を任されたロケマサが嬉しそうにとっとこスイッチの方に駆けていく。
ここからはひたすら待ちの時間である。
各々携帯を見るなりイメトレをするなり様々な過ごし方で時間は流れる。



ほんのわずか、5分程度だったが。

終.→←＿＿

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