才能 ｰ special ｰ

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一応全員身バレ防止に帽子は被ってきたがわかる人にはわかるらしい。
最初に警備員が名人に気づき、店員もあっという顔をする。



もうこれを良いことにヒカルの兄であるまえすが踏み出した。



｢すいません、ペアネックレス探してるんすけどいいのあったりしますか？｣



あくまでも自分からは言わない。
カメラを回していない今はただの一般人。
客だから。



｢ございます、こちらなんていかがでしょう｣



シンプルなCHANELのロゴのもの。
チェーンや色に違いがあるものの、チャーム自体は変わらない。
どれをとっても一目見てCHANELだとわかる。



｢相馬さんどうします？｣



まえすが隣にいた相馬に意見を求めた。
けれども普段アクセサリーをつけない身からするとどれも同じように見える。
…なんてそんなことは言えないから一際輝くチャームを指し、これなんてどうかとヒカルの部下2人の様子を伺った。



｢俺もパッと見て1番目に入るのこれだったんでいいと思います！｣


｢いいんじゃないですか｣


｢やっぱり？これいいよね！｣



まだセンスがあるかもしれないと内心喜ぶ相馬であった。
まえすもうんうんと頷いているし、捧さんは最早お父さんの目で全員を見ている。



｢ではこのネックレスになさいますか？｣


｢はいじゃあこれでお願いします｣



予想より遥かに早く買い物が済んだ。
もうちょっと悩むかと思っていたが、まあさっきも誰かが言ったように早いに越したことはない。



ロケマサの｢クラッカーあった方がいいんじゃないっすか？｣という案を採用し雑貨屋さんにも一瞬立ち寄る。



ヒカルたちが帰ってきていないことを願いながら、来た道を全速力で舞い戻った。

＿＿→←あの日の裏側.

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