【HIGH ＆ LOW】横浜天竺の兄妹はSWORD地区へ【東リべ】 (ページ4)

今日:3 hit、昨日:25 hit、合計:10,366 hit

3 ページ4

イザにぃにそう言われた私は、ゾロゾロと出て来た男達を一望すると言った。

『ねぇ、アンタらの中で1番力のあるやつ出てきて、私と1戦やらない？』
｢おいおい、女1人にそんな事出来んのか？｣

私のその言葉に反応して、ガタイの良さそうな男が1人出てきた。

｢行くぞ女ァ！！｣
『……遅いわね』

私はその男の拳を避けて右脚を男の顬に当てると、壁に向かって倒れ込み、それを見た他の男達が今度は私とイザにぃに向かってやって来た。

イザにぃは私に｢下がってろ｣と言うと、次々と足蹴りで全員ノシた。

｢ふぅーん……オマエら何か見込みがあるヤツが結構いるな……俺達に付いてくれば、頂点(テッペン)の景色を見せてやる｣
｢……ほ、本当にそんなの見せてくれるのか？｣
｢あぁ……オレの下僕、嫌……仲間になれば見せてやる｣

イザにぃが男共に手を差し伸べると、ボロボロになった男共はイザにぃのその手をガッシリと掴み返した。

｢A、今日の放課後にでもオレらのアジトを探して、家に帰ったら天竺の特服作れるか？｣
『うん』

私とイザにぃの後をその男達は着いてきて、目の前にあった教室に入ると私はペンと紙、それからメジャーを持って私達の下に着いた男達の寸法を測った。

そして放課後になり、鬼邪高校の傍に潰れたそれなりに大きな建物に入り、そこをアジトに構えた。

翌日になり、アパートの前に昨日下についたヤツらが既に私とイザにぃを待っていた為に、イザにぃは私の代わりに私達の思い出の詰まった初代天竺の特服を持ってアパートを出た。

｢おはようっス。イザナさん、Aお嬢｣
『あーうん……てか、その呼び方何？』
｢昨日の件で貴女があんなに強かった事を知って、あの後俺らで決めたんス｣
『そっか……』

イザにぃは全員に特服を配ると、下についたこいつらの1人から全日には一派が存在する事を聞いて、一派の名前を考えていた。

『イザにぃ、｢黒川一派｣なんてどう？』
｢それはナシだろ……特服が天竺だから……決めた、今日からオレらの一派の名前は｢天竺一派｣にする｣

その事は、学校で既に広まり、定時でも既に私達の一派に昼食を賭ける事になっていたことを私達は後になって知った。

私とイザにぃは、他の仲間をアジトに残して鬼邪高校の屋上に足を進め、鬼邪地区を一望できる屋上にいた。

この日は生憎の曇り空で、私とイザにぃは気圧が重いせいで頭が痛くなることがよくあった為に、まだ誰もいない屋上でのんびり過ごしていた。

｢気圧、重いなぁ……｣
『そうだね……ん？』

その時携帯が久々に鳴り、開いてみるとそこには鶴蝶の名前があった。