【アダムス・ファミリー】アダムス家次女の学園生活【ハリーポッター】 (ページ16)

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時間に遅れることなく地下牢教室に着いたA達は、それぞれ空いている席に座っていた。

Aとドラコは魔法史の授業同様に隣の席に座り、前の席に座ったセオドールとパンジーと話していると、ローブをはためかせながら寮監であるスネイプが杖で扉を閉めて陽を遮断させて入ってきた。

｢この授業では杖を振ったり、馬鹿げた呪文を唱えたりしない｣

そう言って前に立ったスネイプは自身のローブを翻してグリフィンドール生のみを見ながら話を続けた。

｢良いかな、魔法薬調合の微妙な化学と芸術的な技を諸君らが理解出来るとは期待していない。

だが、一部の素質のある選ばれた者には伝授してやろう……人の心を操り、感覚を惑わせる技を。

名声を瓶の中に詰め、栄光を醸造し死にすら蓋をするそういう技を……ところで、諸君らの中には自信過剰の者がいる様だ

———既にホグワーツに来る前に力を持っているから、授業など聞かなくても良いという訳か、Mr.ポッター？｣

スネイプはすぐ傍で何かを一生懸命になって書いているハリーに向かってそう言った。

｢アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを加えると何になる？分からん？では、もう一問。
ベゾアール石を見つけるには何処を探せばいい？｣
｢分かりません｣

スネイプのこの質問には聞いていたA以外の3人にも、全く分からなかった。

｢では、モンクスフードとウルフスベーンの違いは？｣
｢分かりません｣
｢全く情けない、名前ばかり有名でも仕方ない。
そうは思わんか、ポッター｣

スネイプがそう言うと、ハリーは恥ずかしくなって俯き、その様子を見ていたスリザリン生が嘲笑した。

｢では、誰か分かる者は居るかね？｣
『……』

スネイプのその質問に今まで黙って聞いていたAが手を挙げ、ドラコもその様子に唖然とした。

｢ふむ……では、Miss.アダムス｣
『1つ目に言っていたアスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを加えると“生ける屍の水草”と言う眠り薬が完成する。

2つ目のベゾアール石は山羊の胃を探せば良いし、モンクスフードとウルフスベーンの違いは“無い”。
その理由は、この2つが同じトリカブトだから』
｢全て正解だ、スリザリンに5点……そして諸君らはMiss.アダムスが言ったこの事をなぜ羊皮紙に書かないでいる？｣

スネイプがそう言うと、ドラコ達も他の生徒達も必死に書き始めた。

魔法薬学の初授業が終わり教室を出た4人が歩いていると、セオドールがAに聞いた。

｢何でスネイプが言った質問が全部分かるんだ？｣
『小さい頃におばあちゃんからよく教えて貰っただけよ』
｢流石グラニー殿だな｣