混ぜたら何色？【完結】 (ページ28)

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『むかーしむかし、ある国に寂しがりやの男の子がいました。
男の子は生まれた時から一人ぼっちで生きてきました。
いつも寂しくて、泣いてばかりいました。

ある日、男の子は道で寝ている男の子に会いました。その子はいつも明るく、よく笑う面白い男の子でした。
その子は男の子とは少し目や髪の色が違いました。そしてそのせいで周りの子達からいじめられていました。
でも二人はとっても仲良くなって、一緒に旅をすることにしました。』

庭で遊び疲れた子供達は北斗に本を読んでくれとせがんだ

俺らが読もうか、と言ったけど子供達に

ほっくんがいい！と言われてしまって、

それを嬉しそうに受け取る北斗はいつも通り可愛かった

「ジェシくんみたい！」

「He！？俺？」

「ジェシくんおもしろーい！」

「そうだね、ジェシーみたいだね」

明るくてよく笑う面白い男の子、

たしかにジェシーそのものだななんて思いながら北斗の読み聞かせの続きを聞く

『二人が歩いていくと、木の下で本を読んでいる男の子がいました。
何の本を読んでるの？と聞くと、その子は魔法の本！と笑顔で答えました。
いつかこの本の魔法使いが僕を助けにきてくれるんだ！だからそれまで頑張ってるの！
そう答えた男の子の腕は枝よりも細く、体もとても小さいままでした。
二人はしばらくその子の隣にいることにしました。
すると両親がその子をいじめていることがわかりました。
二人はその子を連れて逃げました。』

ごくっ、

何処からか唾を飲む音が聞こえた

同じような経験をした子供がたくさんいる場だ、

思い出してしまったのかもしれない

どこか北斗に似た絵本の男の子に同情してしまう

『三人は新しい国に着きました。
そこでは誰も三人のことをいじめませんでした。
三人は家を買ってそこで暮らし始めました。

三人は生まれて初めて幸せだと感じました。
一人は夢を、一人は愛情を、そしてもう一人は自由を手に入れました。
三人はこれからもずっと一緒にいる約束をしました。
一人ぼっちで寂しがりやの男の子は、もう泣かなくなりました。

大人になって、一人は神父に、一人は騎士に、一人は教師になりました。
そして三人のように一人で寂しい思いをする子を全員助けました。
おしまい』