混ぜたら何色？【完結】 (ページ13)

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Third story ページ13

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「松村、お前なら進学出来るから考えてみろよ？」

「…はい、」

担任に書類を出せと言われ向かった職員室

夕暮れのこの部屋はなんだか鬱々としていて嫌いだ

座る担任の向かいに立つのは見知ったあいつで、

俺らにしか分からないくらいの不機嫌な顔をしていた

「お、田中来たか」

扉に寄りかかる俺に気付くと書類を渡せと手を出してくる

「ほい。北斗も、もういい？」

立ち尽くしたままになっている北斗の手を引き、担任の返事を聞かずに部屋を後にした

「進学しろって？」

「…金なんて無いのにね。とりあえず実績でも上げたいんじゃない」

進学、なんて言葉が北斗に出るのは当然だった

学年でも成績上位だしな

「ジェシーは？」

「日誌書いてる、あいつ今日日直だから」

ちゃんと漢字で書いてるかな、と微笑んだ

園を出て三人で暮らすこと三年、

もうこの高校ともあと数ヶ月で離れる頃になる

「あ、見てこれ」

「こんなんまだ貼られてたのかよ」

廊下を歩きながら、新聞部が作った貼り紙を指さした

「この時のジェシー王子様みたいだったねぇ、」

「俺は？」

「樹はー、うーん…爺や？」

デカデカと貼られた文化祭の写真

サボろうかと思っていたのに、ジェシーに無理矢理連れて行かれ着せられたのは謎の洋風衣装だった

"3-Eの王子達、過去最高売上達成"

その見出しと共に笑顔が眩しいジェシーがいる

「俺もいたのに、二人みたいだねこれだと」

「…お前を俺らが人に見せる気無かったからな」

そんな酷かったかな、なんて呟くこいつは

俺とジェシーの考えてることなんて露ほども知らないんだろう