混ぜたら何色？【完結】 (ページ5)

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「樹！番号あった！」

「まじかよ！」

さすがにジェシーは無理だと思った、と言えば

何でだよと低い声でツッコミが返ってきた

都立高校の合否を見にきた俺らは、

互いの番号を探していた

まあ正直ジェシーは無理かもしれないと思っていた

いくら北斗が教えたとはいえ、ジェシーの阿保さは折り紙付きだ

「樹もジェシーも、受かってた？」

「番号あったよ～！もちろん北斗もでしょ？」

俺らが受かって北斗が落ちるはずない

そんな分かりきったことわざわざ聞くなよ、とジェシーを小突こうとした時

「…俺、」

北斗から小さな声が聞こえた

その異変に気付きジェシーが駆け寄る

「え、ウソだよね？北斗まさか、」

「受かってましたー！」

心配そうに顔を覗き込んだジェシーを軽く押し返し、

笑顔でVサインをする北斗

「もう！びっくりしたよ！」

顔を真っ赤にして怒るジェシーは本当に心配したんだろう

「しかも2位だって～」

嬉しそうに話す北斗にスゴイじゃん！！とジェシーは返すけど

この北斗の喜びは点数が高かったこと、ではなく

2位になったから新入生代表挨拶から免れたこと、だということを俺は知っている

入試の日の夜、疲れて寝てしまったジェシーを見ながら

「主席入学だと新入生代表挨拶っていうのをさせられるんだって。…4問くらい間違えておけばきっと誰か代わりにやってくれるよね」

一生懸命勉強していたジェシーにはこんなこと言えないけど、

こいつなかなか悪い奴だぞ？