混ぜたら何色？【完結】 (ページ3)

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「今日もありがとね」

「いや先生も大変でしょ？また赤ちゃん増えてるし」

「そうねぇ、みんな元気だから体持たないかもね」

園長先生もそろそろ高齢

大学生のボランティアも毎日来れるわけではない

子供たちを寝かしつけ、自室に向かう

「樹！宿題やった？」

北斗と俺とジェシーの三人部屋

布団に潜り本を読む北斗と小さな明かりで机にしがみつくジェシー

「やってねえよ、今日学校行ってないし」

「うわ、そうじゃん！俺遅刻したと思って急いで行ったら2人来てないんだもんびっくりしたよ～」

「ジェシー待ってたら寝てたんだよ」

な、と呼びかけると

んーと返ってくる生返事

「今日の本はどんなやつなの？」

宿題を諦めたらしいジェシーは北斗の隣の布団に潜り込んだ

「一つの街を舞台にした短編集。方言がやわらかくて優しいのに少し寂しくて、面白いよ」

「やわらかくて優しくて寂しくて面白い…そっかぁ！」

「お前いま内容理解するの諦めただろ」

北斗の好きなファンタジー小説は、

勉強嫌いの俺とジェシーにはあまり向かない

それでもいつも読んでいる本の内容を聞くのは

きっと説明する北斗の顔が見たいから

目を輝かせて口角が上がって

楽しいんだよ面白いんだよ、と伝える姿が

可愛くて仕方ないからだと思う