狂わせたのはアナタ【沖田･土方】

三十五話 ページ38

二人が出て行き、静まりかえった私の部屋


ザキは優しい


いや、真選組の皆優しい


心から互いを支えあおうしてる


それは私ももちろん例外ではなく、困っていたらトシやザキのように皆気遣ってくれる


でも……


今はそれが辛いんだ


ザキの話もトシの話も今は誰の話も聞きたくない


それほどに気が滅入ってきた


あ｢ダメ、だなぁ……｣


思わず呟いた声が、静かな部屋の空気を重くする


このままじゃダメだ……


私が壊れちゃう


そう思い、私は屯所を出た


足は自然とある場所へ、ある人の所へ向かった


扉の隣にあるインターホンを鳴らそうと指を伸ばしたが私はそれをやめた


どうせ鳴らしたところで出てこないだろう……銀さんは


私はそっと扉を開ける


2つ目の扉を開けようとしたが、私はそれをやめた


いや、やめざるを得なかった


だって……


部屋の中からは吐息と小さな我慢するような声が聞こえたから


私もこれを察せないほど子供じゃない


本番までは行ってないが、途中まではやっている


銀さんなのかは分からない


ただ、私はこれを覗くべきじゃなかった


少し扉を開け、目だけで状況を見る


そして……


ガタン


私はその場を急いで出た


そこに居たのは……


あ｢神楽…総悟…なんでよ｣


私の悩みの種である二人だった

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