22話 ページ24
私が入院してからというもの、午前は総悟、午後はトシが毎日くる
土「体はどうだ?」
退院を明日に控えた夜、トシが病院に来た
まあ毎日来てくれてたんだが
あ「うん、もう痛まないしちゃんと動けるし問題ないよ!」
私は笑顔でそう答えた
土「そうか、なら良かった」
トシは口元に笑みを浮かべて言った
そう言えば…
あ「なんでトシは毎日来てくれたの?総悟は毎日来るって言ってたけど、トシは仕事もあるしあんまり来ないだろうって思ってたんだけど?」
この入院生活で思ったことだ
土「実は総悟に頼まれてな。俺が行った方がAが笑顔になるとかなんとか。よくわかんねーけど」
総悟でも笑顔に出来るのにな、そう言ってトシは難しい顔をした
あ「総悟がねぇ」
何を考えてんだろう
私のためなのは何となく分かった
けど、トシにそんな話しちゃダメでしょ
私はこの想いを一生心の中に閉じ込めておくつもりなんだから
トシは変な所で鈍いから問題ないけどほんと何考えてんだか
あ「でもありがとう!毎日来てくれて…2人が来てくれてたお陰で毎日退屈しなかったよ」
土「そうか、ならよかった」
口角を上げて笑いながら私の頭を撫でた
土「そういや…俺ってお前のことなんもわかってねーのか?総悟にそう言われたんだが…」
その質問を聞いた瞬間に私の胸がドクンと嫌な音を立てて鳴った
あ「そ、んなことないんじゃない?だって武州にいた頃からの仲じゃない」
トシは撫でる手を一旦止めて私の顔を凝視する
あ「どうしたの?」
少し緊張しながらも何とか平然を装う
土「いや、お前今少し言い淀んだろ?だからなんかあんのかと思って」
総悟には分かって俺にはわかんねーことが、そう続けるトシに鼓動が早くなる
あ「…もし、もしトシに分からないことがあっても、それはわかる必要はないよ。私の中に留めておけばいいことだからね」
私は少し目線を下において話した
土「そうか。俺は無理に聞こうとは思わねーよ。A、お前が俺に話したくなったら…もしそんな時が来たらその時なんでも聞いてやるよ」
再び私の頭を撫でる手
土「じゃあ明日迎えに来るからな」
そう言ってトシは病室を出た
話したくなる時が来たら…か
そんな日が来るのかな
いや、きっと来ないよ
ミツバを裏切れないし
何より、私がトシの目に“女”として映るかさえも怪しいもの
やっぱりこの気持ちは…私の中で留めておけばいいんだ
23話 土方 十四郎 side→←21話 沖田 総悟 side
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空音(プロフ) - シキさん» ありがとうございます!夢主さんの過去は壮絶までいくかは分かりませんがそのくらい衝撃的なものにしたいと思っていますので、続編もよろしくお願いします!! (2019年2月10日 10時) (レス) id: f3ceb94ac7 (このIDを非表示/違反報告)
シキ - めちゃくちゃ展開が気になります!!土方さんと夢主ちゃんの関係もそうですけど、何より夢主ちゃんの過去がどんなものなのかすごく気になりました!続編も頑張ってください! (2019年2月10日 10時) (レス) id: 88953d593c (このIDを非表示/違反報告)
空音(プロフ) - ginさん» ありがとうございます!!面白いと言って頂けてとっても嬉しいです!続編では夢主さんの過去が主な話となるので少し恋愛要素が薄まりますが過去を知った上で皆がどう動いていくのか。そこを楽しみに読んでくれたら嬉しいです!続編もよろしくお願いします!! (2019年2月10日 10時) (レス) id: f3ceb94ac7 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - とても面白かったです!いやぁ、土方さんと、夢主との展開気になりますねぇ笑笑続編めっちゃ気になるので、行ってきます! (2019年2月10日 9時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空音 | 作成日時:2019年1月24日 19時