ほっとひといき３【梅原裕一郎】 (ページ17)

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「…何してんの？」

『顔パック明日いっぱい写真撮るんだから、最高のコンディションにしておかないと』

「こんな時間に起きてたらコンディションも何もないだろ」

『あ、ひどい！』

ベッドに寝転がりながら、さっきまで見ていたスマホをサイドテーブルに置く。
そうして横に移動しベッドを空けると、おいでとその空間を叩いた。

その誘惑に勝てず、パックはもういいかと剥がして捨ててしまう。

セミロングのベッドでも、2人で寝るには少しだけ狭い。
だけどこの狭さがいいのだ。

「明日から梅原Aって呼ばれるんだなよっ、梅原サン」

『裕一郎もそういうこと言うんだw』

クスクス笑うと、裕一郎も恥ずかしくなったのかグーで軽く小突いてくる。

やっぱり浮かれてるのは私だけじゃなかったんだな。

明日は早いんだから、と流石の裕一郎もいつもみたいに身体を触ってきたりはしない。
しかし、ポツリと独り言のような小ささで呟いた。

「お前、よく俺と結婚する気になったよな付き合う前なんか、お前のこと怒らせてばっかりだったのに」

『たしかにサイテーだったよね私の鞄にAV入れたり、「ブス」って言ったり』

「……ごめん」

『でも裕一郎が私のこと大切に想ってくれてるのはなんとなくわかってたんだっていうか、私より周りの人の方が気づいてたみたいw』

「え」

恥ずか死ぬと顔を覆っている裕一郎に笑いを堪える。

『裕一郎は優しいから、いつでも私を守ってくれるけどこれからは、私も同じくらい裕一郎を守るからいっぱい甘えてね！』

「A、お前…」

おっと、流石にこれは裕一郎を感動させすぎてしまったかな？なんて調子に乗ってると、憐れみを込めた目を向けられる。

「よくそんな恥ずかしいこと言えるな」

そう言って、グルンと反対方向を向いてしまった。

ちょっとスカしすぎたか？
いや、でも裕一郎の耳がいつもより赤い。

素直じゃない裕一郎に後ろから抱きついて、そのまま寝た。