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<今回の収穫は芳しくないな>
<最近は臓器売買の奴らが幅を利かしていてね、有望そうなガキもあっという間に解体されちまうんだよ>
<こりゃ、中国も落ちぶれるわけだ>
<だが数は少なくとも、こっちのガキは自分を売ろうとした親父の生首玄関に飾っとくようなブッ飛んだガキだ。きっと役に立つだろうぜ>
<はあ?…女じゃないか、しかも骨と皮だけの>
<それが法螺話じゃないらしい。おかげで今このガキの臓器は無事なまま、俺たちの所へ来れたんだから>
寝たフリをしてそんな会話を聞いていること数時間、Aら数名は船から下ろされ、中心部に巨大な塔の建っている島にやってきた。
小さな島のようで、一見その塔以外の建物は何一つない。
たくさんの自然の中にそそり立つ人口物だけが、妙に異彩を放っていた。
<良いか、お前は今日から
看守のような制服を着た男が門の前に立ち、冷たい目でAを見つめている。
「ついて来い」と短く言い捨てたその男のあとを歩いていくと、塔の中はまるで牢獄のようだった。
どの鉄格子の中にも少年少女から青年たちが入っており、虚ろな目をしている者からニタニタとこちらを見つめている者もいる。
塔の中を案内されながらAは、ここが殺しを学ぶための場所だということを知った。
第一次世界大戦にて中国は大した功績や賠償金を手に入れるでもなく、周囲の国々が経済成長していくのを指を咥えて見ているしかなかった。
そんな政府が考え出したのが、国を挙げての殺し専門の人間の教育である。
表向きには国のため働く兵士を募ってはいるが、実際は人身売買によって得た幼く才能のある子どもを施設に入れ、身体に殺しを教え込むのであった。
<今日からお前は様々な訓練を受けてもらう。ここがお前の部屋だ、覚えておけ>
容赦無く押し込まれた牢屋の中には、一人の少年が座っていた。Aに気づくと、「どーも」と片手を上げる。
<俺は
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ぽなふ(プロフ) - 星宮あおいさん» はかとんって博多豚骨ラーメンですかね??(違ったらごめんなさい…) (2018年6月29日 18時) (レス) id: ae4a510d66 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - ねこメさん» ほんっっっとに嬉しいです。こんなにジョカゲ仲間がいてくれるなんて…! (2018年6月29日 17時) (レス) id: ae4a510d66 (このIDを非表示/違反報告)
星宮あおい - レスありがとうございます!(今日はちゃんと敬語笑)はかとんの林っぽい!更新楽しみです!頑張ってください! (2018年6月28日 17時) (レス) id: beb3313b11 (このIDを非表示/違反報告)
ねこメ - 続きがとても楽しみです!更新頑張って下さい! (2018年6月25日 22時) (レス) id: 9bbab6553f (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - あめちゃんさん» ありがとうございます、めちゃ嬉しいです!! (2018年6月24日 18時) (レス) id: ae4a510d66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽなふ | 作成日時:2018年1月20日 21時