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客と交じり合うことを想定した大きい布団。
濃い紅色の着物の胸元を大胆に広げた格好のAに覆い被さるように距離を詰められ、鯉登は身体に力が入るのが分かった。
薄暗い座敷内では着物の擦れる小さな音すらも耳に入るし、その上香のような甘くて強い匂いがその白い肌から香ってくる。
「な、なにを…！」
「はい？」
しかしAは平然とした顔つきで鯉登の身体を跨ぐと、掛け布団をぺろんと捲って潜り込んだ。
そのまま枕に頭を預けて目を閉じてしまったAに若干の拍子抜け感は否めない。
鯉登はじわっと額に汗が浮いたのに気づいた。
無意識のうちに身体が強張っていたらしい。
こんな嫌味な女に緊張するなど、男として情けない。
「気色の悪い客をいなしてばかりで、もうしばらく十分に眠れていないんです 気を張っているのにも疲れました…」
「オイッ、まさかここで寝る気じゃないだろうな？」
「それぐらい許してくださいよ…、こいと、しょーい、どの…」
ふわ〜あ、と猫のように大きくあくびをしたかと思えば、次の瞬間には鯉登が何と声をかけても返事をしない。
どうやらこの女、本気でこの時間で仮眠を取るつもりのようだ。
仮にも一兵卒が上官である自分の前で布団に寝そべるなんて…、いやそもそも女が男の前でそう易々と寝顔を見せるべきでは…、など様々な怒りや葛藤が鯉登の脳内を駆け巡る。
体良く扱われるのにも腹が立つが、こんなに男女の仲をお膳立てされたような座敷ですやすやと眠りこけているこの女の危機感の無さにも腹が立つ。
「……むぅ」
しかし本当に睡魔が限界だったのだろう。
ここには何度か付き合いで訪れたことがあるが、下衆な思考の不届者だって少なからず客として来るはずだ。
そんな男たちから身を守りつつ相手をしていたとあれば、流石の香坂Aも精神的に参ってしまうのも頷ける。
すぅ…と小さく寝息を立てて眠る女の表情はあどけなかった。
これまで一瞬たりとも気の抜けない空間であったはずが、自分の前でこうも無防備な姿を見せられると…。
鯉登は胡座を崩してAの寝顔を真上から覗き込んだ。
長いまつ毛に細い骨格。
やはり軍内にいる男たちとは全く別物だ。
「……こ、こうしているとまるで私が変質者のようではないか」
ブンブンと頭を振って視線を外した。
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久遠(プロフ) - 宇佐美の狂ってる感じが最高でした！ありがとうございます😊 (4月7日 21時) (
レス) @page43 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐プリン(プロフ) - 鯉登の現代ver.と明治ver.両方見てみたいです！よろしくお願いします！ (4月7日 10時) (レス) id: b06481f634 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - リクエストなんですが、宇佐美との話欲しいです🙇🏻♀️現代でも明治でも良いです！ (3月24日 22時) (レス) @page37 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐プリン(プロフ) - めちゃくちゃいい話で感動しました〜😭ありがとうございます！ (3月18日 0時) (レス) @page31 id: b06481f634 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐プリン(プロフ) - やばい！鶴見中尉との関係めっちゃ好きすぎて叫びそうです！笑 リクエストなんですがもし夢主だけ生存して鯉登オチだったらっていうと軍に入っていない少し幼い夢主と鶴見との絡みが見てみたいと思ったのですが出来ますでしょうか??お願いします！ (3月13日 23時) (レス) id: b06481f634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2024年2月25日 23時
