お座敷遊びならず！ ページ44
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「……キッ、キッ、キェエエエエエエエエエエエッ！！！！」
襖を開けた体勢のまましばらく固まったかと思うと、この耳を劈くような猿叫。
こんなに早く悪目立ちをしてはいけない、とAは素早い判断で鯉登の手を掴むと座敷の中に引っ張り込んでぴしゃりと襖を閉めた。
なおも続く猿叫に、もはやその肺の強さに感心すら覚える。
ここは旭川駐屯所から程近い歓楽街の置屋。
煌びやかな着物に身を包んだ香坂Aは、目の前で今も固まっている将校服を着た鯉登を睨み上げていた。
「きききききさん、ないごてこげんとこいおっど！！？？」
この騒ぎは何事かと置屋の従業員が襖を控えめに開けた瞬間、Aは鯉登を敷布団の上に突き飛ばした。
虚を突かれた鯉登はその大きな体躯を崩して布団に倒れ込む。
「オホホー、軍人さんったらウブなんだからー」と微笑むAの様子に、従業員は納得したように襖を閉めて離れていった。
「……行ったか」
途端に地声と真顔に戻るAを見上げて、鯉登は頭に？を浮かべながら掛け布団に包まった。
「いいですか、鯉登少尉 声がデカすぎます 私は今鶴見中尉からの任務中なのですから、無駄に目立つ行為は避けていただきたい」
「な、何ッ！鶴見中尉殿の任務だと？」
「ええ この置屋を贔屓にしてる客の一人に変な刺青を持つ男がいるとか」
「網走からの脱獄囚か」
「それを確かめるために私はこんな格好で座敷入りなんてさせられてるんです」
敬愛する上官からの命令だと知る、鯉登は一気に動揺が解けたようで、敷布団の上で胡座をかく余裕すら生まれた。
顎に手をやり、ふむ、と一息つく。
「この座敷は師団の若い将校連中の行きつけだと聞く 仮にも追われる身の脱獄囚がわざわざそんな危ない店を選ぶだろうか」
「例に漏れず鯉登少尉も今日はお座敷遊びで？私たち一兵卒が必死こいて働いている中、ずいぶんと優雅にお過ごしのようで羨ましい限りです」
「相変わらず小癪な女だな貴様は …私は無闇矢鱈に女は抱かん 今日は父の友人だという中将に付き合いで連れてこられただけだ」
「あらそうですか」
Aはさして興味もないように相槌を打つと湯呑みをグイッと傾けて茶を飲み、そして鯉登が座っている敷布団に近づく。
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久遠(プロフ) - 宇佐美の狂ってる感じが最高でした！ありがとうございます😊 (4月7日 21時) (
レス) @page43 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐プリン(プロフ) - 鯉登の現代ver.と明治ver.両方見てみたいです！よろしくお願いします！ (4月7日 10時) (レス) id: b06481f634 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - リクエストなんですが、宇佐美との話欲しいです🙇🏻♀️現代でも明治でも良いです！ (3月24日 22時) (レス) @page37 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐プリン(プロフ) - めちゃくちゃいい話で感動しました〜😭ありがとうございます！ (3月18日 0時) (レス) @page31 id: b06481f634 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐プリン(プロフ) - やばい！鶴見中尉との関係めっちゃ好きすぎて叫びそうです！笑 リクエストなんですがもし夢主だけ生存して鯉登オチだったらっていうと軍に入っていない少し幼い夢主と鶴見との絡みが見てみたいと思ったのですが出来ますでしょうか??お願いします！ (3月13日 23時) (レス) id: b06481f634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2024年2月25日 23時
