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「些か性急に過ぎるかと」
「そうだ、本当に何か知っているかもしれない」
「コイツの口車に乗ってまた賭けスチェンカなど、時間と労力の無駄だろう」
「俺もそう思う、お前らはもっと合理的な奴らだと思っていたが…」
鯉登、月島、谷垣は難しい顔をして黙り込む他なかった。
一人だけならまだしも、杉元と香坂の二人が反対しているのだ。
この二人を丸め込むというのは、口論でも物理的にも大変面倒そうだ。
Aは早く犬を取り返したい一心であろうエノノカに気づき、ポンと軽く頭に手を乗せた。
「ごめん、エノノカ 犬は必ず取り戻すから」
「アシリパさんの行方に繋がる情報が万に一つでもあるなら、俺は無視なんてできない Aもそうだろ？」
「もちろん」
アシリパを取り返したい杉元、尾形を追い求めるA、二人はある意味共同の目的によって通じ合っていた。
こうしてもう一度店主の口車に乗せられてみることにした一行であったが、しかし完全に付き合ってやる気はない。
作戦はこうだ。
再び同じ四人がスチェンカに出場して刺青の男に接触している間に、A、チカパシ、エノノカの三人は犬の隠し場所を探し出しあわよくば奪還する。
Aとしては子ども二人を連れて行動するのは反対であったが、逆に二人だけを残して何かがあってはマズい。
やる気満々な子どもたちにせっつかれ、やれやれとため息を吐きながらAは腰から拳銃を引き抜いた。
「あの男を追うよ 静かに着いてきて」
Aが目をつけたのは分厚いコートを着た髭のロシア人。
これから日露の世紀の一戦が始まるであろうスチェンカの会場から、なぜか一人抜け出すところを目敏く見つけたのだ。
チカパシらの話によると、あの男は犬を盗まれたとき執拗に二人に話しかけ続け意識を逸らしていたらしい。
おそらく盗んだ犬の管理をしているのはあの男ではないだろうか。
賢い上に鼻も効くリュウに、盗まれたアイヌ犬の匂いを辿らせると、やはりあの男が入っていった小屋で足が止まった。
「犬いる？」
「…いない」
エノノカの囁き声に、窓から少しだけ顔を出して中を覗き込んでいたAはも囁いて返す。
するとどこからかワンワン！とけたたましいアイヌ犬の鳴き声が聞こえてきた。
エノノカがパッと顔を輝かせる。
なるほど、犬小屋があったのか。
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ぽなふ(プロフ) - まるまさん» 嬉しいです〜完結まで頑張りたいです！ (11月4日 12時) (
レス) id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - kuuualohaさん» ありがとうございます！またテンポ良く上げられたらと思います (11月4日 12時) (レス) @page12 id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
まるま - 何時も楽しく読ませてもらってます！これからも応援してます!!✨ (11月3日 22時) (レス) @page42 id: 176e021716 (このIDを非表示/違反報告)
kuuualoha(プロフ) - 更新待ってます(泣)！ (11月3日 7時) (レス) @page42 id: 8717a25739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2023年10月2日 8時
