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その日の晩、ニヴフたちが用意してくれた夕飯を囲みつつ、ニヴフのロシア語をヘンケがアイヌ語に通訳し、それをさらにエノノカが日本語に通訳してくれていた。
「ニヴフに『ばけもの川』っていうお話がある」
「え、ヤダ 怖い話？」
「うん …昔、ニヴフがばけもの川で魚獲って焼いてた 遠くで人の声がして、足音近づいてきた」
淀んだAたち第七師団組の空気を払拭しようとしているのか、エノノカは努めて明るい声音で訳した。
昼間興味深げにアシリパと村中を散策していた杉元は、期待半分怯え半分で相槌を打つ。
「だから男は服を全部脱いだ」
「なんでだよ！」
「化け物が出る川だったからだって 男は焚き火の炭でお尻に大きな目を書いた 男は化け物が来る方にお尻を向けて、股の間から見ていた」
「ご近所の人だったらどうすんだよ」
「化け物が来ると、その大きな目を見て怖がって近づけなくて逃げて行った」
３段階に渡る翻訳によって誤訳されてしまったのではないかとも疑ったが、エノノカの自信満々な表情を見る限りどうやらニヴフたちの言っている話を正しく伝えてくれたつもりらしい。
「こわい…」
「ニヴフがなんでそんな変な話を残したのかは謎だが、この話に教訓があるとしたらなんだろうね？アシリパさん」
「悪いことをする奴は、
アシリパの言葉に、Aははたと腑に落ちたような感覚を得た。
ずっと人の目が怖かった。
アシリパの青く澄んだ瞳や、鯉登の射抜くような鋭い瞳を自分に向けられるのが怖かった。
まるで対照的で薄汚れた自身を見透かされるような気がして嫌いだった。
強烈な光に目が眩み、そして身を灼かれるような、そんな気がしてならなかった。
本日何度目か分からないが、尾形の寝ている寝台に目をやる。
あのとき流氷の上で、アシリパと尾形がどんなやり取りをしていたのかはわからない。
ただもしかして尾形も自分と同じように、アシリパの放つ清い正道の光に目が眩んでしまったのかもしれない、と少しだけ思った。
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ぽなふ(プロフ) - まるまさん» 嬉しいです〜完結まで頑張りたいです！ (11月4日 12時) (
レス) id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - kuuualohaさん» ありがとうございます！またテンポ良く上げられたらと思います (11月4日 12時) (レス) @page12 id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
まるま - 何時も楽しく読ませてもらってます！これからも応援してます!!✨ (11月3日 22時) (レス) @page42 id: 176e021716 (このIDを非表示/違反報告)
kuuualoha(プロフ) - 更新待ってます(泣)！ (11月3日 7時) (レス) @page42 id: 8717a25739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2023年10月2日 8時
