百八十二 ページ32
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「トホトホ、トーッ！トホトホ、トーッ！…コラ香坂お前も言わんかッ！！」
「月島軍曹も言ってません！」
「貴様の階級が一番下だろうバカタレッ！トホトホ、トーッ！」
「ト、トホホ…」
急激に崩れてきた天候に、Aは寒さに耐え切れず前に座る鯉登にギュッとしがみついた。
犬橇の上でただ跨っているだけだと、身体の芯から冷えていくのを感じる。
鯉登はキエッと一瞬鳴きはしたが自身も寒かったのだろう、脇を上げ、その下にAの腕を差し込ませて脇を絞めた。
Aの後ろに跨る月島もぎゅっと寄り、だんご三兄弟となって吹雪の中犬橇を走らせる。
「これは避難しないとそろそろマズいのでは…！」
「止まってくれ！杉元たちがついて来てないぞ！」
月島の言葉に後ろを振り返ると、もう吹雪で視界には何も見えなかった。
至近距離にいても声が通りにくく、自然と大声になるレベルの猛吹雪なのである。
「杉元！」
一発空に向けて銃声を鳴らしてみる。
「何か聞こえたか！？」
「いや、何も…！」
「なんだって！？」
いよいよ本格的にマズい。
あちらの橇にはヘンケが同乗しているものの、こんな猛吹雪の中で遭難などすれば凍死は免れられない。
杉元、谷垣、チカパシらの身を案じながらも、あまりの極寒に手袋を貫通して冷気が手に突き刺さってくる。
「さっき、建物見えたッ！」
「じゃあ行こうエノノカ！」
「たしかあっちの方角だ！避難するぞ！」
エノノカと月島の地理勘を頼りに吹雪の中を凍えながらしばらく歩くと、なんとか灯りの付いた住宅のようなものを見つけることができた。
住人であるロシア人に月島が助けを求め、家に入れてもらう。
まさに九死に一生を得た。
「Иди за мной！」
月島に言われるがままそのロシア人の年寄りについて行くと、屋内に階段があった。
登ったところにはそれはそれは立派な灯台が。
「これは使えそうだ」
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ぽなふ(プロフ) - まるまさん» 嬉しいです〜完結まで頑張りたいです！ (11月4日 12時) (
レス) id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - kuuualohaさん» ありがとうございます！またテンポ良く上げられたらと思います (11月4日 12時) (レス) @page12 id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
まるま - 何時も楽しく読ませてもらってます！これからも応援してます!!✨ (11月3日 22時) (レス) @page42 id: 176e021716 (このIDを非表示/違反報告)
kuuualoha(プロフ) - 更新待ってます(泣)！ (11月3日 7時) (レス) @page42 id: 8717a25739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2023年10月2日 8時
