百八十 ページ30
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公演後問い詰めたところ、曲馬団の山田座長はロシアを回ってスパイ活動に従業する陸軍将校であり、その情報がどこからか漏れたことによるロシア政府からの襲撃だったらしい。
なんともまあ、奇妙な偶然が重なったものである。
活動がバレてしまえばもうここにはいられない、と後日荷物をまとめながら座長は言う。
これからアメリカを巡るそうだ。
「鯉登くん頼む、山田一座に残ってくれ！世界が君の軽業にひれ伏すだろう！」
「それはできん、鶴見中尉殿に叱られてしまう」
「ぐッ… じゃあ、そっちの香坂さんだけでも！あなたが気立てが良いだけじゃなくまさか射撃の天才だったなんて…！これは軽業のネクストステージへのチャンスだ！」
「将来を誓った男がいるので、それはちょっと」
「キエエエエエッ！！？」
断り文句として適当なことを言ったまでであったが、鯉登は目をひん剥いてAの首根っこを捕まえてズルズルと引き摺った。
「吹っ切れおって！」とか「あんな男やめておけ！」などと口角泡を飛ばしながら詰め寄られた。
別にいいもん、わかってもらおうなんて思ってないもん、と内心唇を尖らせておく。
その態度が表に出ていたのか、鯉登の説教は長く続いた。
その間に杉元らが座長から聞き出した情報によると、キロランケはかつてのパルチザンの仲間たちが収監されているアレクサンドロフスカヤ監獄を目指しているのではないか、という予測ができた。
帝政ロシアに反旗を翻して捕まった極東の少数民族である。
かつて志を共にした同胞たちを解放し、アシリパの金塊の話を伝える。
大いにあり得る話だ。
「杉元のハラキリショーは大した記事にはならなそうだけど、キロランケたちの目的地が分かったのは収穫だね」
「いや、アシリパさんなら賢いからどんな小さな記事だってきっと見つけてくれる 俺が生きてるってことに気づいてくれるさ」
「そもそもアシリパって漢字読めるんだっけ？」
「……お前、相変わらず余計なこと言って水差すよな」
ジト目で杉元に睨まれるも、実際問題重要なのはそこだろう。
とりあえずの先遣隊の進路も決まり、Aらはヤマダ一座と別れてそのアレクサンドロフスカヤ監獄を目指すこととなった。
ちなみに谷垣と少女団の少女らの間では涙の別れが行われていた。
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ぽなふ(プロフ) - まるまさん» 嬉しいです〜完結まで頑張りたいです！ (11月4日 12時) (
レス) id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - kuuualohaさん» ありがとうございます！またテンポ良く上げられたらと思います (11月4日 12時) (レス) @page12 id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
まるま - 何時も楽しく読ませてもらってます！これからも応援してます!!✨ (11月3日 22時) (レス) @page42 id: 176e021716 (このIDを非表示/違反報告)
kuuualoha(プロフ) - 更新待ってます(泣)！ (11月3日 7時) (レス) @page42 id: 8717a25739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2023年10月2日 8時
