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「本日皆様のお目に掛けますのは、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花、日本が誇る大和撫子、香坂A女流射手の流鏑馬でございま〜すッ！」
ステージ上のいたる所に配置された的を確認しつつ、Aは馬に跨り優雅に登場した。
わあッと歓声が沸き、とくに男たちは身を乗り出してAの姿を追っていた。
その様子を舞台裏から心配そうに見守っているのは杉元ら。
「あのハゲた不埒者めッ、香坂を汚らわしい目で眺めおってェ…！」
「ちょっとは落ち着けよ、Aの演目が始まるぞ」
「貴様も先ほど不埒な視線を向けていただろッ！」
「だァッ、うるせえ！」
そんな小競り合いが舞台袖で行われているとは露知らず、Aは背負った矢筒から矢を一本取り出すと、滑らかな手つきでつがえ、そして放った。
まずは一番近い的に命中する。
それなりの拍手を受け、続いてさらに遠くの的を狙うのかと誰もが思ったその瞬間、Aはなんと矢筒と弓をその場にポイポイと放り捨ててしまった。
これには観客も、そして山田座長も目をひん剥く。
会場のざわつきに思わず笑みを溢し、Aは馬の鞍に忍ばせていたいつもの小銃を取り出して構えた。
シュパンッ！シュパンッ！
と連続的に射撃音が鳴り、ステージ端の的の中心部分が数ミリのズレもなく撃ち抜かれていく。
呆気に取られる観客席に、なんとAはそのまま銃口を向けた。
舞台袖から何やら叫び声が聞こえるが須く無視だ。
シュパッ！
客席の一番上部に座っていた男のハットの上にあった小さな小さな的を、Aの放った弾は精密に撃ち抜いていた。
男は恐怖のあまり鼻水を垂らしている。
実は客席にこのような極小の的をいくつか事前に配置しておいたのである。
断じて目立ちたいから、ではない。
「こっちの方が皆さんの心を確実に撃ち抜ける」
正直うんざりしていたのだ。
慣れない弓射の練習をさせられることに。
可憐な女流射手が次々と馬の上から小銃で寸分の狂いなく的を撃ち抜く神技とその斬新さに、会場はいつのまにやら大盛況であった。
この日の演目はその後も��黒髪の麗人による必中の騎射��として、樺太で密かに語り継がれることになるのはまた別の話。
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ぽなふ(プロフ) - まるまさん» 嬉しいです〜完結まで頑張りたいです！ (11月4日 12時) (
レス) id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - kuuualohaさん» ありがとうございます！またテンポ良く上げられたらと思います (11月4日 12時) (レス) @page12 id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
まるま - 何時も楽しく読ませてもらってます！これからも応援してます!!✨ (11月3日 22時) (レス) @page42 id: 176e021716 (このIDを非表示/違反報告)
kuuualoha(プロフ) - 更新待ってます(泣)！ (11月3日 7時) (レス) @page42 id: 8717a25739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2023年10月2日 8時
