百七十六 ページ26
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迎えた樺太公演当日。
活気あふれる広場には、たくさんの上りが立っていた。
「さあさあ、満員御礼だよ！みんな気を引き締めていきましょう！」
舞台裏まで伝わってくる熱気に、杉元らは表情をグッと引き締める。
そこに舞台衣装に着替え終わったAが姿を現し、一同は思わずピシリと固まった。
「…どうかな？ちょっと派手すぎるか」
「ど、どどどうも何も別にいいんじゃない？似合ってる」
「ああ、香坂がこういった服を着るのは珍しいな」
「どうも 谷垣は…、うん、可愛らしいね」
声の震えが止まらない杉元は、ドギマギと心臓をときめかせながらAの身体を見た。
Aが身に纏っているのは煌びやかな袴で間違いないのだが、肩肌を脱ぎ、サラシを巻いた胸部が剥き出しであった。
そして普段は肩ほどまでしかない髪を無造作に束ねているのが、今ではカツラを着用しているのか長く美しい黒髪をひとつ結びにして靡かせている。
まごうことなき美しき女流射手であった。
「A！揉ませて！」
「そんなに私の的になりたいの？チカパシったら命知らずね」
両手をワキワキと動かしていたチカパシであったが、Aの言葉にすぐに谷垣の背中に隠れてしまった。
男たちの様子がおかしいのは自分が胸元を曝け出しているからか、と合点がいく。
いつもは軍服に羽織りという、ほとんど男装姿しか見せたことがないのだから仕方がないか。
と、突然我に返ったように鯉登が目を血走らせながらAの肩をガッシリと掴んで揺さぶった。
「き、貴様そげん格好ばしちょいて一体どげんつもりじゃ！？おなごんくせにはしたなかッ！！」
「いきなりなんですか？」
「…ッ月島ぁん！」
助けを求めてこちらを見る初心な上司に、月島はやれやれとため息をつく。
「女があまりそんな風に肌を晒すもんじゃない」
そんなこと言われたって、とAはジト目で座長を見る。
「わかってませんね〜、皆さん 香坂さんのような清廉そうな乙女が勇ましく馬に跨って矢を射るという図が、観衆の心を撃ち抜くんじゃないですか」
「なるほど、観衆の心を撃ち抜く…」
「え？香坂さん、どうしました？」
「いや？ぜひご覧の皆さんの
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ぽなふ(プロフ) - まるまさん» 嬉しいです〜完結まで頑張りたいです！ (11月4日 12時) (
レス) id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - kuuualohaさん» ありがとうございます！またテンポ良く上げられたらと思います (11月4日 12時) (レス) @page12 id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
まるま - 何時も楽しく読ませてもらってます！これからも応援してます!!✨ (11月3日 22時) (レス) @page42 id: 176e021716 (このIDを非表示/違反報告)
kuuualoha(プロフ) - 更新待ってます(泣)！ (11月3日 7時) (レス) @page42 id: 8717a25739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2023年10月2日 8時
