百七十四 ページ24
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その後も様々な芸を試してみたものの谷垣と月島には全く才能が無かったらしく、山田座長はプリプリしながら少女団としてステージの脇で踊るよう二人に命じた。
まだ年端もいかない可愛らしい少女たちに混じり、ステップを踏むガチムチ丸坊主の軍人二名。
一方で全ての芸をことごとく一発で成功させていく鯉登の姿に、座長はすっかり心を奪われていた。
この男に関してはその見目の良さも加わり、一座の花形として樺太中から注目されると言う。
「鯉登少尉、もういい！『不死身の杉元ハラキリショー』より目立つなよ、本末転倒だ！」
「嫉妬か？見苦しいぞ杉元佐一！」
「いやアホか！」
二人のやりとりを聞き流していると、座長がAに手渡してきたのは何やら煌びやかな袴であった。
胸のところにはサラシを巻き、右側を着流して着るらしい。
「香坂Aさん、あなたにはこれを着て流鏑馬をやってもらいます」
「そんな無茶な」
「そのボロボロの出立ちと髪型でも私の目は誤魔化せませんよ！あなたの外見はなかなかに突出して良い！鯉登さんのような華やかさこそありませんが、女流射手としては大和撫子然としたあなたの気立ての良さはとてもよく映えます！」
「は、はあ…」
「ささ、兎にも角にもまずは弓の練習をしなければ」
弓道はそこまで経験がなかったが、何度か鶴見中尉の元で最低限は教えてもらったことがある。
それにアシリパがよく弓を引いていた姿勢を思い出しながら、少し先の的に向かって矢を放つ。
トスン、と小気味の良い音と共にAの放った矢は的の中心に命中した。
「おおッ！」と大袈裟に拍手をくれた座長に気を良くして、Aは続いて馬小屋から連れてこられた栗毛の馬の背に跨り、同じように弓を引いてみた。
しかし結果は、的の端のスレスレの部分にかろうじて矢が刺さった程度。
「一朝一夕の練習で出来るようになるものなの？」
「ええ、もちろん！筋はだいぶ良さそうですから、練習あるのみです」
その後も陽が傾くまで流鏑馬の練習をして、Aは凝り固まった筋肉を解す。
やはり弓を引くのにも腕や肩の力を必要とするし、流鏑馬ともなれば手綱から手を離して馬を操る必要がある。
馬の背を挟んでいた股関節はいまやプルプルと悲鳴を上げており、なんだってこんな練習をさせられているのか…、とため息をつきたくなった。
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ぽなふ(プロフ) - まるまさん» 嬉しいです〜完結まで頑張りたいです！ (11月4日 12時) (
レス) id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - kuuualohaさん» ありがとうございます！またテンポ良く上げられたらと思います (11月4日 12時) (レス) @page12 id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
まるま - 何時も楽しく読ませてもらってます！これからも応援してます!!✨ (11月3日 22時) (レス) @page42 id: 176e021716 (このIDを非表示/違反報告)
kuuualoha(プロフ) - 更新待ってます(泣)！ (11月3日 7時) (レス) @page42 id: 8717a25739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2023年10月2日 8時
