百七十三 ページ23
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杉元の提案はこうだった。
公演に出て樺太にその名前を轟かせ、自身の生存をアシリパらに知らせるというもの。
「ちなみに何の演目をやるつもりなの？」
「不死身の杉元、ハラキリショー」
「バカだ、コイツ」
いくら自分が撃たれても刺されても今まで死んだことがないからって、それを演目にするなんて。
Aは冷めた目で杉元を見やった。
座長の山田も慌てて「いやいやいや、そんな突然…！」と至極真っ当な反応を見せるも、杉元の意思は固い。
「じゃあそっちの長吉を置引きで警察に突き出してもいいんだな？」
「いやそれは…、長吉はウチの花形なんです！」
「う〜ん、そちらの方々も出演してもらうのが条件なら良いのでは？」
ここで口を挟んだのは、元凶である長吉であった。
��そちらの方々��と、Aたちの方を見ながら。
「オイラが見るにそちらの方はどうやらこの世界が向いていそうですし、そっちのお嬢さんもなかなかお目にかかれない気立ての良さだ」
長吉が指差したのは鯉登と、続いてAであった。
また面倒なことに巻き込まれそうな予感しかしない。
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まず軽業の一つとして見せられたのが、��曲持��という芸だった。
寝そべった芸人の足の上に樽を立てて乗せ、その上に片足で乗った長吉が上手いことバランスを取っている。
お手本のような軽業であった。
そして驚いたのが、鯉登が見よう見まねですぐさまその芸をこなしてしまったことである。
長吉の言っていたことは間違いではなさそうだ。
「さ、香坂さんもどうぞ」
「お前もこのくらいなら出来るだろう」
鯉登に煽られても、正直出来る気がしない。
渋々といった様子でAは樽の上に一瞬だけ立ち上がり、その後ピクピク小刻みに震えながら「うぎゃッ！？」と地面に墜落した。
これは無理なやつだ。
努力ではどうにもならないタイプの。
馬鹿にしたように笑い転げる鯉登を尻目に、Aはすぐにそう察した。
「鯉登さんあなた、どこの曲馬団に所属してらしたの？」
「陸軍第七師団だ」
杉元や谷垣、月島たちが曲持に挑戦してドッタンバッタンと騒いでいるのを横に、Aは恨めしげに鯉登を睨んだ。
この男、冗談じゃなく軍人よりも軽業師の方が向いているのではないか。
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ぽなふ(プロフ) - まるまさん» 嬉しいです〜完結まで頑張りたいです！ (11月4日 12時) (
レス) id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - kuuualohaさん» ありがとうございます！またテンポ良く上げられたらと思います (11月4日 12時) (レス) @page12 id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
まるま - 何時も楽しく読ませてもらってます！これからも応援してます!!✨ (11月3日 22時) (レス) @page42 id: 176e021716 (このIDを非表示/違反報告)
kuuualoha(プロフ) - 更新待ってます(泣)！ (11月3日 7時) (レス) @page42 id: 8717a25739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2023年10月2日 8時
