百七十一 ページ21
杉元はショックを受けているようだった。
しかし、Aから言わせてもらうならば、何を今さら？といったところである。
初めて会ったときには手加減なしで思い切り蹴飛ばされ、さらには顔面を狙ってボコボコに殴られた。
これは初手でアシリパを人質に取るという、今であれば完全に地雷であると分かる行為に走ってしまった自分の責任であるため、Aはそこまで恨んではいなかったが。
「…俺、お前には普通の生活を送ってほしいと思ってた」
知っている。
以前にも杉元にもそんなようなことを言われたことがある。
「人の生活にケチつけるなんて、傲慢だね」
「傲慢でもなんでもいい それでも、俺はお前にはこんな血みどろの戦争に身を置いてほしくなかったんだ」
永遠に平行線を辿るであろうこの議論を蒸し返して、杉元は一体何が言いたいのだろう、とAは首を傾げる。
「それなのに、俺がお前を傷つけてちゃ世話ねえな」
ハッと自嘲的に笑う杉元に、Aはなんとなく目の前の男は今傷ついているんだろうな、と感じた。
元来心優しい性格だったはずが、一体何が彼に影を落としているというのだろうか。
戦争か、はたまた全く別の経験か。
「アシリパを連れ去られて、精神が不安定なんだ 考えなくてもいいことを考え始めるのは良くない兆候だよ」
「考えなくてもいいことなんかじゃ…」
「考えなくてもいいことでしょ
わざとニヤリと嫌味な笑みを浮かべてやる。
杉元はいつものように言い返してはこなかった。
「ただ尾形さんがいない今狙撃手である私の希少価値は高いわけだから、大事に扱えとだけは言っておこうか？反省したんなら今後はボディーガードよろしく、不死身の杉元」
少しわざとらしすぎたか。
杉元は呆れたような、そして弱ったような笑みを浮かべた。
「おう、当たり前だ」
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ぽなふ(プロフ) - まるまさん» 嬉しいです〜完結まで頑張りたいです！ (11月4日 12時) (
レス) id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - kuuualohaさん» ありがとうございます！またテンポ良く上げられたらと思います (11月4日 12時) (レス) @page12 id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
まるま - 何時も楽しく読ませてもらってます！これからも応援してます!!✨ (11月3日 22時) (レス) @page42 id: 176e021716 (このIDを非表示/違反報告)
kuuualoha(プロフ) - 更新待ってます(泣)！ (11月3日 7時) (レス) @page42 id: 8717a25739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2023年10月2日 8時
