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「とりあえずは豊原という大きな町に向かうそうです 商店もたくさんあるようですから、軍曹も何か買い足したいものがあれば…」
弾薬盒を開けて中身を確認しながら言うAのその華奢な肩を、突発的に掴む。
「うわっ、なんですか？」
「まだちゃんと聞いていなかった お前が、なぜ鶴見中尉を裏切って尾形なんぞについたのか」
不意を突かれたような問いに、Aは一瞬怯む。
「お前が造反を企てたという報告を聞いたときから、鯉登少尉殿はお前を気にしていた 俺だって…」
「軍曹殿も？」
「…いや、俺はただ理由が気になった」
どうして、あの死神の手から逃れようとするのか。
これまで何も考えずただ命令に従っているのは楽だっただろう。
俺も同じだ。
言葉にせず、ジッとAを見つめる。
目の前の少女は、なんだか記憶にあった頃よりもずいぶんと大人びて、いろいろと何かが吹っ切れたような顔つきに見えた。
そのことにも月島の中の仄暗い怒りの感情が煽られる。
「…
「は？」
「あなたたちに故郷を焼かれて、私はとてつもない解放感を感じました そして今鶴見中尉からまんまと逃げ仰たとき、私はまた同じような解放感を感じたんです」
まあ、今また捕まってしまいましたが…と付け加えるAの顔は、なるほどたしかに、まるで憑き物が落ちたかのようだった。
自身を囲う劣悪な檻を破る解放感、それは即ち巣立ちの通過儀礼なのかもしれない。
自身の経験からも、月島はAの答えに少しだけ納得がいった。
そして同時に、月島の冷たい心の奥底に眠る激しい怒りがメラメラと燃え上がった。
この女、何勝手に一人だけ解放された気でいるんだ？
と。
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ぽなふ(プロフ) - まるまさん» 嬉しいです〜完結まで頑張りたいです！ (11月4日 12時) (
レス) id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - kuuualohaさん» ありがとうございます！またテンポ良く上げられたらと思います (11月4日 12時) (レス) @page12 id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
まるま - 何時も楽しく読ませてもらってます！これからも応援してます!!✨ (11月3日 22時) (レス) @page42 id: 176e021716 (このIDを非表示/違反報告)
kuuualoha(プロフ) - 更新待ってます(泣)！ (11月3日 7時) (レス) @page42 id: 8717a25739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2023年10月2日 8時
