百六十四 ページ14
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結局上官への反抗という罪で月島軍曹にボコボコにされたのはAのみで、乱取り中に反則をした尾形は厳重注意だけで済んだのが軍の悪しき上下関係を表しているようで不服ではあったが、Aの心は晴れ上がっていた。
顔もまた腫れ上がっていた。
月島軍曹は事務的な作業を行うかのようにAの顔面を数発殴った後、罰として体罰棒30発の刑を言い渡した。
いつもなら震えて泣き叫びそうになる罰であったが、宇佐美を痛めつけられたことで気分が大きくなっていたせいかAはさして抵抗もせずそれを受け入れた。
「自分でケツを出せ」
淡々とした月島軍曹の声が逆に恐怖心を煽る。
目をギラつかせた宇佐美が月島に向かって叫んだ。
「軍曹、僕にやらせてください！被害を受けたのは僕です！！」
「ダメだ、お前にやらせたら香坂が死ぬ そこで黙って見てるかさっさと医務室に行くか選べ」
「クッソ！！僕はお前がケツをブッ叩かれてブヒブヒ泣き喚いているのを見るまでここを動かないぞ！」
「ああ、宇佐美上等兵殿は畳の上がお好きなようですもんね さっきも一人でずっとそこで蹲っていましたし」
ああ、ダメだ口が止まらない。
血の気の盛んな男たちがひしめく軍内では生意気はそこそこにしておけ、と入隊前に鶴見中尉から忠告されていたのに。
ひん剥かれた宇佐美のギョロ目にニコリと笑いかけると、彼の血管の切れるような音がした。
少し視線を逸らすと、さも面白おかしそうに状況を楽しんでいる尾形がいる。
「図に乗るなよ、香坂 さっさとズボンを下ろせ それとも無理矢理脱がされたいか？」
先ほどより数段冷たい声音の月島に形容し難い恐怖を感じ、Aは慌ててベルトを外してズボンをストンと床に下ろした。
周りは好機の目を向けてくる男たちばかりだが、恥じらっているのを許してくれるほど月島は甘くない。
観衆の中で決行するのも罰のうちの一つなのだろうか。
月島はAの股引に向かって、容赦なく体罰棒を振り下ろした。
空気を切る恐ろしい音と共に走るとてつもない痛みを、Aは歯を食いしばって耐えた。
たぶん、月島がいない状況で宇佐美に逆襲されるよりはマシだ。
尻が真っ赤に爛れて血が滲み出した頃、ようやく解放された。
この事件以降、Aにむやみに手を出す者は消えた。
ただ一人、宇佐美だけは恨みを募らせさらに絡んでくるようになった。
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ぽなふ(プロフ) - まるまさん» 嬉しいです〜完結まで頑張りたいです！ (11月4日 12時) (
レス) id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - kuuualohaさん» ありがとうございます！またテンポ良く上げられたらと思います (11月4日 12時) (レス) @page12 id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
まるま - 何時も楽しく読ませてもらってます！これからも応援してます!!✨ (11月3日 22時) (レス) @page42 id: 176e021716 (このIDを非表示/違反報告)
kuuualoha(プロフ) - 更新待ってます(泣)！ (11月3日 7時) (レス) @page42 id: 8717a25739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2023年10月2日 8時
