百六十一 ページ11
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「「「バーニャ！」」」
なんとなく言ってみたかっただけで特に全員意図はない。
バーニャというロシア式蒸し風呂のおかげで、ちょける余裕すら出てきた。
問題は他の皆が全裸ということと、自身の服をこの蒸し風呂の中でなんとか乾かさなければならないということであった。
早々に乾いた外套は外にいるチカパシらに持っていてもらい、上から順に、羽織り、軍服と一枚ずつ乾くたびに脱いで外に渡した。
「それにしても貴様、さっきはよくも私を道連れにしおったな！」
「死なば諸共です」
「オ、オイ！あまりこっちを向くなッ！！」
話しかけてきたのは鯉登の方なのに、Aが視線を向けると彼は慌てて両手で股間を押さえた。
杉元や谷垣も若干気まずそうに自身のイチモツをAの目から隠そうとしているが、月島はなんだかいつも通りの真顔に見える。
もう少し恥じらいとやらを持ってほしい。
シャツが完全に乾いたら早めに出て行ってあげよう、と思うのだが、いかんせん中に着ている肌着や下着類も乾かしたい。
ちょっとだけ待っててよ、とAは内心謝るのであった。
「アンタは殺したくない その刺青を写させてくれ」
「樺太を出ろ、出来るだけ西へ行け 大陸の果てまで行けば誰も追ってこない」
刺青を持った脱獄囚、名はたしか岩息舞治と言ったか。
この男はどうやらずいぶんと杉元や月島の信頼を勝ち得たらしい。
温情や情けなど普段は一切として持ち得ない二人にである。
相当な出来た人格なのだろうな、と予想はつく。
まあ杉元とまともに殴り合える時点で出来たもクソもなさそうではあるが。
「ところで、さっき杉元さんが言ってたアシ…」
「アシリパさんを知ってるのか！？」
「そう、アシリパだ 連れの男が私と同じ刺青を入れた囚人だったから覚えている」
「白石だッ！」
白石とアシリパは本当にここに来ていた。
紛れもない確かな情報に、一行は心が躍った。
白石が逃げずにアシリパと行動を共にしている、という事実は杉元にたしかな希望をもたらした。
そしてそれはAも同様であった。
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ぽなふ(プロフ) - まるまさん» 嬉しいです〜完結まで頑張りたいです！ (11月4日 12時) (
レス) id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
ぽなふ(プロフ) - kuuualohaさん» ありがとうございます！またテンポ良く上げられたらと思います (11月4日 12時) (レス) @page12 id: 501bdc7901 (このIDを非表示/違反報告)
まるま - 何時も楽しく読ませてもらってます！これからも応援してます!!✨ (11月3日 22時) (レス) @page42 id: 176e021716 (このIDを非表示/違反報告)
kuuualoha(プロフ) - 更新待ってます(泣)！ (11月3日 7時) (レス) @page42 id: 8717a25739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2023年10月2日 8時
